教育費が足りない家庭が実行すべき3つの計画 JKが解説「20代は年金を払うと大損するのか」

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次にミッション2は、家計の「合理化」「見える化」をすることだ。大里家は、懐事情を家族みんなで共有することにした。「チーム大里」として家計をマネジメントしていく……というところまで決めたのはいいが、みんなが「納得づく」でできるかどうかは難しそうで、なかなか大変そうだ。そこで「ルール作り」などを、花実のクラブの顧問であるFPのエマ先生に助けてもらうことにした。

そしてミッション3。地味な話だが、社会保障制度を正しく知ることなども含め「マネーリテラシー」(お金まわりの話について理解し、活用する能力)を身に付けながら資産形成をしていくことだ。

実は、これも花実へのエマ先生の「入れ知恵」だ。社会保障制度のおかげで、たとえ100歳まで生きようとも、収入がゼロになることはない。だが社会保障だけを頼りに生きていけるわけでもない。そこで、合理的な自助努力が必要になるということだ。

以上、これから大里家は3つのミッションを達成していくために頑張ることにした。

20歳の姉の「不満」は正しいのか?

「3つのミッション」が決まって数日がたったある日。「ただいま」。夕方、花実が帰宅すると、家の中がなんだか騒々しい。大学3年生で今年20歳になったお姉ちゃんが帰ってきているようだ。

「どうしたの?」

「お姉ちゃんがね、バイト代から国民年金の保険料を払うのが嫌だって駄々こねてるのよ」

「だって1万6540円よ! 年金って、おばあちゃんとおじいちゃんがもらっているやつだよね。なんで、20歳になったばかりの私が払わなくちゃいけないの? 年金もらうのなんて、何十年も先だしさ。それに、私たちは老後に年金もらえないかもしれないって、ネットでみんな言ってるよ。私たちの世代は絶対払い損だよねえーって。花実だってそう思うでしょう?」

「花実は思わない」

「えぇぇぇー?!」

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