銀座育ちのミツバチが運ぶコミュニティ 都心で地産地消?!  銀座ミツバチプロジェクト

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環境作りを通して、コミュニティとブランドを作る

銀座ミツバチプロジェクトは、2006年から地道な活動を続けてきた結果、昨年はハチミツの収穫量も1トンを超えるまでになりました。これは、国内のハチミツ生産量の約0.05%を占める割合です。東京のど真ん中にある、わずか2棟のビルの上で採れていることを考えると、この結果は特筆すべきものでしょう。そして、田中さんをはじめとするスタッフの方々は、日々、地道に養蜂を続けながら、次なるアクションを模索しています。

銀座ミツバチプロジェクト

 

 

 

 

 

 

「ビルの屋上は、緑被率を上げるため、大規模な開発は屋上緑化するなどの規制があります。こうして、最初は緑化されたりするのですが、途中から手を入れなくなって荒れてくるケースも多くあります。まさに都市の耕作放棄地ですね。この銀座の街もそうです。そこで最近ではビルの上に、ミツバチの蜜源となる花を植えたり、地方の特産品を植えて、さらにコミュニティの力を引き出すことにチャレンジしています」

銀座のクラブママも着物姿で銀座のビル屋上の緑化をしている

生まれた場所、住んでいる場所、仕事している場所。リアルな場所という概念と、その中でのつながりは、ネット社会が発展していくにつれてどんどん希薄化しています。同時に、モノについても、世界中からモノが集まるようになった結果、その地域性は失われていっています。この2つの課題を解決しうるのが、地産地消です。自らのコミュニティのために「モノを売る」「モノを買う」のは、地域に対する自分の貢献としては最も身近なものですし、その結果の変化もわかりやすいものです。

モノづくりは、プロセスの見える化がしやすいという点で、コミュニティ作りにとても向いているアクションです。今回のように、東京・銀座のビル屋上の「耕作放棄地」の可能性が発掘され、有効活用されている事例を考えると、まだまだ私たちが気づいていないモノづくりのあり方があると思います。

【お知らせ】
マザーハウスでは本連載のテーマである「モノにあふれた時代のモノ買い方、売り方」に合わせて、マザーハウスカレッジという、みなさんで議論する場を設けています。次回、5月7日(水)には、今回、取り上げた、農業生産法人銀座ミツバチ代表の田中淳夫さんをお呼びして、セッションを行います。参加希望や詳しい情報はこちらをご参照ください。  
山崎 大祐 マザーハウス 副社長

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やまざき だいすけ / Daisuke Yamazaki

1980年東京生まれ。高校時代は物理学者を目指していたが、幼少期の記者への夢を捨てられず、1999年、慶応義塾大学総合政策学部に進学。大学在学中にベトナムでストリートチルドレンのドキュメンタリーを撮影したことをきっかけに、途上国の貧困・開発問題に興味を持ち始める。2003年、大学卒業後、 ゴールドマン・サックス証券に入社。エコノミストとして、日本及びアジア経済の分析・調査・研究や各投資家への金融商品の提案を行う。2007年3月、同社を退社。株式会社マザーハウスの経営への参画を決意し、同年7月に副社長に就任。副社長として、マーケティング・生産の両サイドを管理。1年の半分は途上国を中心に海外を飛び回っている。

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