これだけは押さえたい「大災害でもらえるお金」 知らないと損をする"生活再建"のための税制

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もし今後、災害が身近に迫り、お金を持っておきたいと考えたとしても、公的資金が支給されることを思い出していただければ、日常生活に必要な資金を取るために、危険を伴いながら自宅に戻るという選択をなくすことができるはずです。

住宅が全壊とならない場合でも、住宅の応急修理に関して公的資金が支給されます。応急修理の場合は1世帯当たり57.4万円が上限となりますので、必要最低限の修理に限定されそうですが、これら被災者向けの制度があると覚えておいて損はないでしょう。

支援金の申請には、罹災証明書(自治体発行)のほか、住民票、支援金の振込先口座情報などが必要です。現状では申請情報の集約、行政の連携に時間がかかりますので、マイナンバーカードの普及が進むことによる迅速な支援金の支給が望まれます。

なお、被災者生活再建支援法の対象とならない場合でも、地方自治体独自の対応が検討される場合もあります。被災した人は、避難所で配布される自治体からのお知らせをはじめ、その後も通知される自治体からの情報に目を配り、お知らせなどを保管しておきましょう。

過去の例では、2011年の東日本大震災で20万2721世帯、2018年の北海道胆振東部地震で1169世帯、同年の西日本豪雨で9876世帯、2019年の台風15号・台風19号で5222世帯が該当しています。制度開始から合計28万3568世帯に4957億円が支給されています。“公的資金による見舞金制度”ととらえるとよさそうです。

生活再建に活用したい税制

被災すると税金が安くなるらしい、という話を聞いたことのある人もいるでしょう。

先にお伝えしておくと、大きく得する制度ではありません。しかし、知らないとせっかくの制度が使えず、損することになります。今年被災した人は来年の確定申告が必要だ、と覚えておくといいでしょう。

① 雑損控除

災害で資産に対して損害を受けた場合などには、確定申告をすることで一定金額の所得控除を受けることができる制度です。控除される金額は次の(1)(2)のうち、いずれか多いほうの金額です。

(1)(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
(2)(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

計算式にある「差引損失額」とは、「損害金額+災害などに関連したやむをえない支出の金額-保険金などにより補填される金額」となります。自宅の火災保険などで保険金を受け取れる場合は損失額がなくなるか、少なくなります。

今回のような水害では、火災保険には加入していても、水災補償がなく保険金が支払われないこともあります。保険金が支払われない場合は、効果を発揮するでしょう。

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