これだけは押さえたい「大災害でもらえるお金」 知らないと損をする"生活再建"のための税制

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自動車保険も同様に、自然災害に対してどの程度の補償を設定するか、自動車の販売会社などに確認することをお勧めします。一般的には事故を念頭に加入する自動車保険ですが、車両保険を適切に設定することで、水害による水没・全損などでも保険金を受け取れるのです。

今後望まれる制度と資金源

最後に、毎年起こる自然災害に備えるためにどのような制度があればよいのか、考えてみたいと思います。

① 火災保険の契約期間を最長5年に短縮

災害の規模が毎年のように大きくなる中、補償内容が適切でなければ、保険料を支払う効果が半減します。つど適切な補償を選択できるような顧客本位の商品提案が望まれます。

② 損害保険料控除は地震保険だけでなく、風水害の保険料も含める

地震保険料控除という税制優遇があることで、地震保険の加入が促されています。公助としての政府による支援金も大切ですが、自助の支援として保険料控除に火災保険契約の保険料控除を復活させると効果的だと考えます。地震保険料と火災保険料のダブルで保険料控除を利用できるようになれば、風水害への備えを喚起することにつながります。

③ 損害保険料控除の額を増やす

火災保険料、地震保険料の値上げが続いており、マイホーム所有に関する維持費用が高くなっています。災害時の支援金を充実させるよりも、保険料控除の額を増やすほうが自助努力を促すことになりますし、生活再建にも役立つと考えます。政府の財政が厳しいからこそ、自助努力を促す取り組みが不可欠です。


現状では、適切な保険に加入していない人は「自己責任」の一言で保険金が受け取れません。しかし、いくつかの制度を変更すれば、こんなはずじゃなかったという人を減らすことができます。

適切な損害保険に加入することで、数千万円の保険金を受け取れれば、水害頻発地域からの転居も容易になります。資金難によって災害リスクの高い地域に住み続けるしかない人を減らすことが、災害に強い街づくりに寄与するはずです。

高橋 成壽 ファイナンシャルプランナー

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たかはし なるひさ / Naruhisa Takahashi

寿FPコンサルティング株式会社代表取締役。慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、金融系のキャリアを経てFPとして独立。お金を増やす、お金を守るという視点でFPサービスを提供。30代40代の財産形成、50代60代の資産運用、70代以降の相続対策まで幅広い世代に頼られている。「ライフプランの窓口」を企画運営。著者に『ダンナの遺産を子どもに相続させないで』(廣済堂出版)がある。日本FP協会認定CFP。

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