新型コロナは試練ではなかった
――2020年3月期の売上高は9784億円で、1兆円にあと一歩でした。
着実に会社は成長している。売上高1兆円を1つの目標にしてきたが、5月の従業員向け経営戦略説明会では「もう1兆円はいい。(目標との差の)約220億円にこだわるよりは、利益率の向上と営業利益1000億円を目標にしよう」という話をした。
(1兆円目標は)決してハードルが高いとは思っていない。実力があるはずなので、環境が整えばできる。長期的には売上高2.5兆円を目指しているし、その先もある。
――新型コロナの影響はどうだったのですか。
新型コロナは試練だとは思っていない。われわれはこの1年だけで、北海道胆振東部地震やフィリピンの火山噴火、台風、米中貿易摩擦と、ありとあらゆるリスクを経験した。精神的な負担としては2011年にあった旗艦工場のあるタイの洪水のほうが余程大変だった。
あのときはタイに工場がないところは平気だった。われわれは「とにかく早く復旧しなくてはいけない、工場に水を入れちゃいけない」と、もうそればっかり考えていた。その経験を乗り越えたから、コロナは試練ではないと言える。
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