インドで働く日本人社員をいかにケアするべきか?-第2回(全3回)「食事と勤務制度」編
先進国を尻目に経済成長が続くインド。今後、インドへ進出する日本企業は増加するに違いない。しかし、苛酷な環境下で日本人社員の心身の健康を守りながら、モチベーションを維持させるのは容易なことではない。
三菱化学・人事部労制グループ・後藤啓グループマネジャーにインドにおける日本人社員のマネジメントについて聞いた。
--お米や肉、魚以外の食材は日本人に合うものがありましたか?
野菜はありました。ただ、ゴボウはありませんでした。日本へ一時帰国した社員が持ち帰ったゴボウでゴボウパーティーをしていたグループもありました(笑)。
卵はありますが、鮮度が悪いので生卵を食べることはできません。火を通せば問題ありませんが、卵好きな人にはストレスがあったと思います。
インド人は味見をしてはいけない
--日本食の調理は誰がするのですか?
調理人の確保がたいへんです。東南アジアのように日本食を作ることができる人がいません。そこで、まず海外の建設現場の調理場で働いた経験のあるケータリング会社の調理師(日本人)を1名採用しました。
さらにタイ人の調理師も2名採用しました。シンガポールの日本料理店で働くタイ人をスカウトしてインドに来てもらったのです。
日本人がまずタイ人2人に教えて、そのタイ人が10人のインド人調理師に日本食を教えるという方式をとりました。この方式は大成功しました。工場建設を担当した三菱重工の日本人社員からも「海外の工事現場で食べた食事の中で最もおいしい」と言われました 。