日本がアメリカ・中国との間で求められる姿勢 グローバリゼーションに目を背けてはならない
トランプ大統領の自国第一主義やイギリスのブレグジット(EU離脱)宣言などの影響もあり、グローバリゼーションは後退を余儀なくされている状況である。ブレグジットは決定したものの、まだ始まりの始まり。はたしてどのような形で収まるのか、不安は尽きない。
それどころか、大統領選が今年11月に迫るなかでもトランプ大統領の保守主義政策が収まる気配はない。
世界経済にとって超大国の対立は危険極まりない。コロナ問題が落ち着いても、この水準を上回るには少し時間がかかるだろう。ゆえに貿易に楽観は禁物だ。
だが考えてみれば、世界のリーダー・覇権国のリーダーとしての地位を放棄したアメリカの大統領が「アメリカ・ファースト」であるのは当たり前の話。なぜなら、それぞれ自国が第一なのだから。
もちろんアメリカ・ファーストはトランプ大統領の保護主義的側面の表れではあるだろうが、どの国も自分の国益が第一であることは疑いがない。そのことを意識にとどめておくことは、なるほど非常に重要なことなのではないか。
氷上のシルクロードの地政学
しかしトランプ大統領やイギリスのEU離脱にかかわらず、世界はグローバリゼーションに向かっている。そうした事実を鑑みると、アメリカ・ファーストやブレグジットをもって「反グローバリゼーション」と片付けるのは過剰反応ではないかと丹羽氏は考える。
グローバリゼーションに抗い、けんかをやってよいことなどどこの国にもない。
そう考えるからこそ、こうも断言しているのだ。「これからの30年、日本は世界の国々と戦いを交えず、平和と自由(貿易)を国是とするべきだ」と。
全世界的にさまざまなバランスが崩れつつあるように思えるだけに、この考え方には強く共感する。
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