しかし、駆除しただけでは不十分。殺した死骸を除去しなければアレルゲンとなってしまうので、駆除後は掃除機をしっかりかけよう。
また、日頃から床の掃除機がけも小まめに行いたい。スプーン1杯(0.30g)のホコリの中に平均500匹以上ものダニがいるそうなので、ホコリをためるのは論外。意外とフローリングの継ぎ目や畳のヘリなどもホコリが多くダニが生息しているので要注意だ。
換気をしながら1㎡当たり20秒と入念に掃除機がけをするといい。だが、活発なダニは手ごわく「なるべく吸引力のある掃除機がおすすめ」と渡辺さんはアドバイスする。ちなみに吸い取ることができたダニは掃除機の中で乾燥死するのでご安心を。
できればダニが嫌がる成分でダニを「よける」アイテムも活用したい。ダニが近づかなければ刺されるリスクも軽減できるし、フンや死骸の増加も抑えられるので繁殖予防になる。現在、スプレー、置き型、シート、洗剤など種類が豊富だ。
こうした忌避グッズは企業や商品により採用する成分が異なるが、日常使いするものなのでアロマや化粧品の原料、人体用・ペット用のシャンプー製剤などから安全性の高い成分が選ばれている。
もちろん、ダニを殺す駆除剤も、急性毒性、亜急性毒性、遺伝毒性、刺激性、感作性(アレルギー性)など安全性試験結果を基に厚生労働省が承認しているので正しく使えば安全性に問題はないとされているが、「それでも駆除剤は抵抗がある」と考える人もいるだろう。そういった人にも忌避系のアイテムは採り入れやすいのではないだろうか。
もう1つ、つねに意識したいのが「除湿」だ。ダニは乾燥に弱いので、小まめに換気し、なるべく日光を入れること。風通しの悪い部屋はエアコンや除湿器を導入するなど、湿度を下げる工夫をしたい。布団などの天日干しも駆除の効果はないが、「湿気を逃がすという意味で有効なので推奨する」と渡辺さんは話す。
ちなみに、こうしたダニのあらゆる対策はモノの表面のみに有効だそう。つまりベッドマットレスやソファなどの「奥に潜り込んでいるダニ」を駆除する方法は残念ながら現在はないという。だからこそ、駆除・掃除・忌避・除湿の合わせ技でダニを減らすことが健康のためには重要なのだ。
水洗いだけではダニは取り除けない
肌に長時間触れる、寝具や衣類の重点対策についても覚えておきたい。これら洗えるものは洗濯機である程度ダニを落とすことができる。注意したいのは、必ず洗剤を使うこと。なんと「水洗いだけだとダニは生き残ってしまう」(渡辺さん)らしい。
布団はできれば年に1回はクリーニングに出すのが望ましい。ダニを死滅させるには、洗剤を使った丸ごと水洗いで高温乾燥してくれる業者を選ぶとよいという。運ぶのが面倒でなければ、洗濯も高温乾燥もできるコインランドリーでダニをリセットするのもいいだろう。
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