経済再開で「感染増えた場所」「減った場所」の差

コロナ疲れで日常生活に一気に戻るリスク

フロリダ州では大半の地域で社会活動が再開し、観光客に依存する海沿いのカフェも再び営業を始めたが……(写真:AP/アフロ)

不気味な警告が疫学者、自治体の首長、郡の保健衛生担当者によって何週間も前から繰り返されてきた。経済活動を再開すれば、新型コロナウイルスの感染者数が急増するというものだ。

このシナリオは今、アメリカの各地で現実となっている。なかでもサンベルト(南部諸州)や西部では、新たな流行が憂慮すべきレベルに拡大し、何千というアメリカ人が日々、コロナ感染症にかかっている。

アリゾナ州では、コロナ患者の急増を受け、各病院が緊急対応を迫られている。フロリダ州では6月13日、1日の新規感染者数が過去最高に達した。オレゴン州は11日、感染拡大の封じ込めに失敗したことから、段階的に進めてきた経済の再開を中断せざるをえなくなった。

さらにテキサス州では、ヒューストン、サンアントニオ、ダラスなどの大都市を中心に感染が急増している。

マスク着用すらやめる人々

「強く懸念している」。ダラス市のエリック・ジョンソン市長はこう述べ、コロナ疲れが広がったことから、住民の多くがマスクの着用やソーシャルディスタンス(社会的距離)の保持をやめてしまったと指摘した。「市民はかなりの期間にわたって、愛する人や一緒にいたい人と距離を保つよう言われてきた。マスクの着用も気持ちのいいものではない。人々に疲れが出てきたのだと思う」と、同市長は語った。

この1カ月近く、アメリカ全土の大半が完全あるいは徐々に経済を再開し、人々も感染防止のための規制から次々に解放されていっているかに見えた。政府の規制の多くが解除され、感染予防措置が個人の判断に任される中、アメリカ人は美容院やレストランに再び通うようになり、公園の人出も増えた。さらに数十という都市では、警察の暴力に抗議する大規模デモが続いている。

アメリカ全体を見れば、1日の新規感染者数は基本的に落ち着いており、横ばいとなっている。ニューヨーク・タイムズのデータベースによると、アメリカではこれまでに200万人以上がコロナに感染した。1日の感染者数は約2万1000人で、1カ月前からそれほど下がっているわけではない。死者数は1日あたり約800人。ただ、どちらの数値も4月のピーク時に比べれば、大幅に減少している。

しかし、1日の新規感染者数は22の州で増加し続けており、これらの州の多くで見られていた感染者数の低下傾向にも変化が生じている。

次ページ「最悪の事態が迫っている」
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • iPhoneの裏技
  • コロナショック、企業の針路
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
100億円の寄付を即決<br>ユニクロ柳井会長の危機感

ともにノーベル賞を受賞した京都大学の本庶教授、山中教授に、ユニクロの柳井会長が過去最大規模となる総額100億円を寄付すると発表。研究支援を決めた背景には、サステナビリティ、社会課題の解決などに対する柳井氏の強いメッセージがありました。