経済再開で「感染増えた場所」「減った場所」の差 コロナ疲れで日常生活に一気に戻るリスク

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感染が急増したことで、これらの州のトップは岐路に立たされている。感染の増加を経済再開に伴う想定内の犠牲として受け入れるか、感染拡大を食い止めるべく行動制限の解除を遅らせるか、新たに制限を強化するか、そのいずれかの道を選ばなければならないからだ。

ヒューストンを抱えるハリス郡では11日、郡の行政長官が「最悪の事態が迫っている」と警告し、住民に他者との接触を最小限に抑えるよう要請した。同郡では最近、平日1日あたり300人を超える新規感染が確認されている。

すでに「パンデミック前」の状態に

ところが、ヒューストンの大型ショッピングモール「ガレリア」では警戒の様子はほとんど見られない。プレッツェルチェーン「アンティ・アンズ」の店舗前では客が狭い間隔で列を成していた。「カリフォルニアネイルズ」では、2人の女性がマスクも着けずにペディキュアの施術を受けていた。ソーシャルディスタンスを促す掲示板が設置される一方で、店舗外の通路は混雑し、買い物客がわずか数インチの間隔ですれ違っていた。

フロリダ州では大半の地域で社会活動が再開され、バーや映画館は収容人数の半分、ジムは通常の収容人数で営業が許可されるようになっている。さらに同州では5日、感染が拡大し始めているにもかかわらず、規制が一段と緩和された。

ユタ州のソルトレイクシティでは、感染が増加する中、一部の人々の行動はパンデミック前に戻り始めている。夫と夏季サッカーキャンプを運営するユタ州在住のテレサ・ケールさんが話す。「この前の夜、レストランに行ったら従業員が誰もマスクを着けていなかった。ぞっとしたわ」。

ユタ州の疫学専門家、アンジェラ・ダン氏は、5月下旬のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)の前に始まった経済再開を境に、州内で感染が再拡大したことを突き止めている。

ダン氏によれば、「感染の拡大と行動規制を緩めたタイミングには直接の相関関係がある。感染拡大は間違いなく経済再開と関係している」。

最近の感染急増と、比較的早期に行われた経済再開とを結びつける理由は山とある。一部の地域では食品加工施設や刑務所、介護施設などのクラスターから感染が広がるケースが続いているが、クラスターでは感染が広範囲に拡大している理由をうまく説明できない。

このところ感染が拡大し最も深刻な事態となっている10州のほとんどが、5月8日以前に経済活動の再開を始めている。感染者数の減少が続いた後、再び感染者数が増え始めたルイジアナ州では、5月15日に経済活動が再開された。一部地域で規制を継続し、より段階的な再開措置を選んだカリフォルニア州でも感染が急増し、被害が深刻化している。

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