ソニー、R&Dトップが語るテクノロジーの磨き方 「ものすごいスピードでシナジーを生み出す」

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──ソニーが目指す方向はどう変わりますか。

かつもと・とおる 1957年生まれ。82年ソニー入社。ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ社長、R&D・メディカル事業担当専務を経て2020年6月から現職。ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ副社長兼務(撮影:梅谷秀司)

テープレコーダーなどを製造していた時代は「アーカイブ(保存記録)の会社」だったが、近年は「リアルタイムの会社」に変わっている。スポーツ中継を遅延なく放送する、ゲームをクラウドで展開するなどには、応答速度を速くしなくてはいけない。

そのためにわれわれは、通信やネットワークを含めてリアルタイム、リアリティーを極めてきた。今後はそこにリモートという要素が加わった、「3Rテクノロジー」が重要になる。

──具体的には?

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、音楽ライブができなくなっている。アニメや映画の制作でも人が集まらないとできないことが多くて非常に困っている。そこでわれわれの持つ技術を、遠隔地にリモートで展開する。

研究開発でも「人に近づく」

例えば、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントと3次元のバーチャルスタジオを共同開発している。コロナ後も映画制作における強力なツールになるとみており、引き合いが増えている。

──ほかの電機大手と比べて、一般消費者向けのビジネスが多くなっています。

ソニーの多様な事業ポートフォリオの軸は「人に近づく」だ。今年の経営方針説明会では、それをさらに詳しく「人の心を動かす」「人と人をつなぐ」「人を支える」の3つに分けた。今後、注力していく車載のセンシングや医療、金融についても、人々に安全・安心を提供するという意味で「人に近づく」事業。R&Dでもそれは同じだ。

「週刊東洋経済プラス」の7000字インタビューでは、現場から出てきた有望な技術、社名変更による「ソニーグループ」発足でR&Dはどう変わるか、電気自動車を作った狙い、ゲームで何を目指すか、人材獲得の考え方などについて詳細に語っている。

高橋 玲央 東洋経済 記者

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たかはし れお / Reo Takahashi

名古屋市出身、新聞社勤務を経て2018年10月に東洋経済新報社入社。証券など金融業界を担当。半導体、電子部品、重工業などにも興味。

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