ソニーが沖縄で開発する「自動運転車」の正体

「スマホが車に」映像技術モリモリの壮大計画

ソニーとヤマハ発動機が共同開発した自動運転車両「SC-1」(記者撮影)

真っ暗な植物園の中を車両が走り出すと、車内に設置されたディスプレーに車外の映像とともに、クジラやイルカのCG映像が表示される。水の音などの効果音とともに、外からは虫や鳥の音がかすかに聞こえる。車に乗り込んだ人には、どこまでが現実でどこからが仮想現実か容易には区別がつかない。

この車両はソニーとヤマハ発動機が共同開発したエンターテインメント用自動運転車両「SC-1」だ。11月1日から沖縄県名護市のリゾート施設「カヌチャリゾート」と沖縄市の東南植物楽園の2カ所でサービスを始める。

カメラで周囲を確認し、自動運転

それぞれ夜間に10分程度、決められたコースを走り、それに合わせたコンテンツを体感できる。「高い没入感」が売りで、森の中を水族館のようにしたコースと、暗闇を生かしたホラーストーリーを見せる2コースがある。夜間は施設を十分生かし切れていないという問題意識もあり、夜間サービスの開拓は観光施設側にもメリットが大きい。

ただし、この車両は単なるテーマパークのアトラクションとは異なり、両社の最新技術を満載したコンセプトカーだ。特に注目すべきは、ソニーが誇る映像技術がこれでもかと搭載されている点。5人乗りで、全長3.1メートル、高さ1.8メートルの四角い車体前面には窓がない。その代わりに360度すべての方向をカバーする複数のカメラのほか、レーザーで物体との距離を測る「LiDAR(ライダー)」が搭載されている。

カメラには高精細のCMOSイメージセンサーが使われており、ヘッドライトの明かりがなくても暗闇ではっきりと撮影できる。これらの映像を車内に設置した4K高解像度液晶ディスプレーに映し出し、「人が直接見るよりも詳しい画像」で周囲を確認できる。しかも、夜間であるがゆえに、最先端の映像技術をいかんなく発揮し、没入感のある空間を作ることができる。

車両の運転は、遠隔もしくは自動で行い、車内で人が運転することを想定していない。つまり、運転席が存在せず、ハンドルもアクセルペダルもない。

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