第2波来ても「再封鎖」があまりに難しい理由

世界のトレンドは感染拡大でも経済優先

今インドは急増する感染の対応に追われているが、それでも飲食店や小売店、宗教施設が再開している(写真:ロイター/アフロ)

2カ月前、新型コロナウイルスの確定感染者数が約100万人だった頃は「生存」が政治上の重大課題であり、シャットダウン(閉鎖措置)が世界に広まっていた。

そして6月上旬。世界の感染者は700万人を突破し、7日には13万6000人と、1日の新規感染者数としてはパンデミック発生以来最悪の数字を記録している。ところが、そうした状況で新たなトレンドとなっているのが経済・社会活動の再開だ。

戦慄する保健当局

何十年にもわたって築き上げてきた経済がわずか数週間で穴だらけになっていくのを目の当たりにして各国は恐怖した。要するに、閉鎖は「もうたくさん」というわけだ。

コロナの世界的な感染拡大に警戒を募らせてきた保健衛生当局にしてみれば、もはや卒倒しそうな状況である。「今はどの国も対策を緩めるときではない」。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は8日、ジュネーブでの記者会見で注意を促した。危機の「終息にはほど遠い」とテドロス氏は言う。

コロナで深刻な打撃を受けた米欧の都市では感染率が低下したかもしれないが、ウイルスは世界の隅々にまで深く入り込んでいる。実際、世界的な感染のピークは何カ月後かに訪れる可能性もある。

ワクチンや有効な治療法が存在しない現在、確実に効果が期待できる対策は1つしかない。人と人の接触を制限することだ。世界の各都市はまさにこの手法で新たな感染を抑えることに成功し、その後おずおずと行動制限の解除を進めている。

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