コロナ明けで登校を渋る子に絶対NGな否定言葉 「行きたくない」をしっかりと受け止めてあげる

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もともと夏休みなどの長い休みのあとは、登校しぶりや不登校が増えるものです。その理由は2つあります。

1つは「適応」の問題。学校が長い休みの間は体も心も休むことに適応させています。それを学校へ行く状況に心と体を適応させるように、急に切り替えねばならないからです。適応能力には個人差があり、切り替えがいい子もいますが、苦手な子もいます。切り替えが苦手な場合、適応には時間が必要なため、登校しぶりや不登校につながりやすいのです。

2つめは「休み中の過ごし方」の影響。今回のコロナウイルスの流行で、生活の基盤が揺らいだ人がたくさん出ました。家庭が厳しい状況にさらされながら、この休校期間を過ごした子どもに元気が湧く訳はありません。そうでなくても親である大人も不安定になり、DV(家庭内暴力)なども増えていますから、状況が悪く、心のエネルギーを吸い取られてしまった子どもも多かったことでしょう。

さらに、コロナウイルスのための休校は運悪く学年の変わり目の新学期に重なってしまいました。先生も、友だちも、教室も、靴箱も、あるいは学校自体も変わる。そういうタイミングでした。神経質な子どもは、「靴箱の位置がわからなかったらどうしよう」と心配して学校に行きたくなくなることもあるのです。多かれ少なかれ、全ての子どもたちにとってはより不安な幕開けとなったことは間違いありません。

もしわが子が「学校へ行きたくない」と言ったら

「行きたくない」と言っているのはその子にとってどういうことなのか。その理由を、その子の性格や、家庭での過ごし方を踏まえながら、ゆっくりと対話して聞いてみてください。そのとき、「行かせねばならない」という気持ちが先行して、反論や決めつけ、否定することをしてはいけません。「この子だったらこんな風に考えるだろうな」と共感的な気持ちで聞いてあげてください。大人でも辛い状況のいま、子どもの「行きたくない」をいつも以上に、しっかりと受け止めてあげることが非常に大切です。

次ページ子どもへの説得は「前向きに」展望を示すこと
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