仕事がつらい人が「今この瞬間」に集中すべき訳 マインドフルネスの「科学的」な根拠

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ほかにも、マインドフルネスを実践することで、身体感覚、内省、自己意識に関わる脳部位に変化が起こることが、科学的な調査で認められています。

「なんとなく効果を感じる」ではなく、こうした科学的な裏付けがあるからこそ、グーグルを始めとする世界中の先端企業がマインドフルネスによる研修を導入しているのです。

これからの時代に求められるEI(感情知性)

グーグルをはじめ、世界に名だたる企業がこぞってマインドフルネスを導入する理由が、実はもうひとつあります。

マインドフルネスを継続することで、EI(Emotional Intelligence:感情知性)が高まることがわかってきたことです。

かつて、アメリカの心理学博士であるダニエル・ゴールマン氏が書いた『EQ こころの知能指数』がベストセラーになったことを覚えているでしょうか。博士が提唱したEQ(Emotional Intelligence Quotient:心の知能指数)とは、EIを計る指数のこと。EIとは、「自分自身と他人の気持ちや感情を観察して、見分け、その情報を使って自分の思考や行動を導く能力」のことです。

今、このEIが世界で注目されています。すでに進行しつつある第4次産業革命。AIに代表されるこの時代に、人類に求められる能力がEIです。

AIの時代が到来すれば、計算や分析などの論理的思考、いわゆるIQの部分は代替されます。AIが代替不可能なスキルとして人間に残されるのは、人間の複雑な感情を理解する力であるEIです。EIを強化し高めることは、今後、ビジネスパーソンの必須事項になると考えられています。

事実、2016年にダボス会議で発表された「第4次産業革命時代に必要なスキル、トップ10」には、EIが新たにランクインしているのです。

私たちはこのEIのスキルを高めるための教育を、学校や研修ではほとんど受けてきていません。

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