日本も他人事でない「香港騒乱」の歴史的ヤバさ

チベット系日本人が訴えたい世界情勢の現実

中国がこの機を狙わない理由はない。覇権取りに向けて、今後ますます手を広げていくことは想像にかたくないのである。

日本の報道は、ここ数カ月、新型コロナ対策に関するニュースであふれかえってきた。裏を返せば、国内で起きている問題への対処で精いっぱいであるということだ。もちろん、非常事態なのだから、仕方のないことであろう。

だが、それはつまり、新型コロナ対策以外の問題にまで手が回っていないということでもある。今年に入ってから中国の船が何度も日本の領海に侵入してきていることを、多くのメディアでは報じていない。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺を含む南西諸島や南シナ海で、何度もその姿が確認されている。

これは日本だけの出来事ではない。海外諸国でも同様のことが起きている。

新型コロナウイルスは国民の健康・命を奪うとともに、国の力も確実に奪っている。新型コロナ対策で経済が止まり、人や企業への補償によって財政的余力が乏しくなり、日々問われる対策を検討・実践することで時間も奪われる。まさに世界中が停滞状態に陥ってきた。

今、前に進むことができるのは、新型コロナウイルスの収束に成功したとする中国だけ。世界の覇権を奪取するには、新型コロナウイルスの混乱によって世界が弱っているこのタイミングが最大のチャンスなのである。

中国が抱える獅子身中の虫

しかし、今の中国も決して無敵というわけではない。世界の覇権国になるうえで、いちばんの問題であり弱点は、中国国内にある。

習近平氏が2013年に国家主席になってから7年が過ぎ、最近では政治、経済、外交、貿易などにおいて、さまざまな失策がみられてきた。こうした中で、経済界・政界からも彼に対する批判・不満が噴出。反対勢力が強くなり、彼の立場はどんどん弱まっている。こうした不満・批判を収めるべく、自身の力を知らしめるために行ったのが、冒頭でも述べた香港対策である。

香港は本来、1997年の返還から50年、つまり2047年まで一国二制度として高度の自治が認められなくてはならない地域である。中国本土では認められていない「言論・集会の自由」も持っている。

イギリスが一国二制度を返還の条件とした背景には、中国が香港の影響を受け、資本主義陣営に近づいてくるのではないかという思惑があった。その香港を共産主義で治めることにより、西側諸国の思惑に負けないという力を見せつけることになり、国民からの尊敬を集められると、習主席は考えたとみられる。

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