香港騒乱「中国人民解放軍」の介入はあるか 「雨傘運動」の敗北で中国への反感が増幅
目の前で催涙弾が炸裂した。まぶたと鼻の奥がヒリヒリし始める。
ここは戦場でも何でもない。香港は九龍半島の銀座通りともいえるネーザンロード。8月3日(土)夜9時過ぎのことだった。
筆者が香港島で友人と夕食をとり、ホテルへ戻る最中のことである。その晩は九龍一の繁華街、旺角(モンコック)で大規模抗議集会があると聞いて旺角を避け、香港サイドに2駅寄った佐敦(ジョーダン)に宿をとった。
デモ隊に催涙弾を浴びせかける
佐敦の地下鉄駅の改札を出ると、デモ参加者であることを示す黒シャツを着た若者が蝟集(いしゅう)している。地上のネーザンロードへ出てみると、ビクトリアハーバー方向から黒シャツ隊が旺角方向へと雪崩をうって潰走してきた。その行く手に30人程度の警察官が交差点をふさいで一列横隊となり、催涙弾を雨あられと発射した。ネーザンロードには幾筋もの白煙が立ち上る。
「逃げろ!逃げるんだ!!」
「写真を撮るな!警察の手先か!貴様!!写真を撮った奴は容赦しないぞ!」
怒号がこだまする中、目と鼻を押さえて佐敦駅から直結するホテルの居室に逃げ帰り、テレビをつけて情勢がようやくのみ込めた。
旺角の抗議活動とは別のグループが佐敦駅に近い尖沙咀(チムサーチョイ)警察署を襲撃。れんがや石を警察署内に投げ入れ、署外でごみなどに火をつけたデモ隊に対して、警察が排除行動に出た瞬間に出くわしてしまったのだ。
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