お笑いタレントが面白くなくなった理由 もう“金太郎飴芸人”はいらない

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

笑いのピラミッドで、せめて二流の芸人になれるか?

私は、人を楽しませたい、と純粋に夢見る若者の一生懸命を応援したい気持ちでいっぱいである。だからこそ、その思いに付け込んだアコギなビジネスモデルには違和感を覚えるし、競争が激化する現代社会で1年という時間をお笑い修行に費やし、日の目を見ずに去っていく99%の方々に、かつては同じくお笑いタレントを目指したグローバルエリートの弟子として、一言申し上げたい。

一流のお笑い芸人は自分の独特なキャラクターの打ち出し方を認識しており、その個性だからこそ可能な、既存のパターンにはまらない新しい笑いの型を生み出すし、新たな笑いのマーケットを創造する。二流のお笑い芸人は一流のお笑い芸人に気に入られて、お友達芸人としてその周囲で生き残っていくし、一流のお笑いのボスを引き立てることでそれなりの役割を果たしていく。三流芸人は二流芸人と同じレベルの笑いのセンスだが、政治センスや社交性がないため日の目を見ることがない。そして四流芸人はお仲間芸人としてテレビについでに出すことも不可能なくらい根本的に笑いのセンスがなく、また人気芸人に気に入られる政治センスも持ち合わせていない。

お笑いの世界はピラミッドが重層化しているだけに、一発当たれば大儲けだが、自分がその巨大なピラミッドのどの裾野にいるのか正確に把握しなければ、いつまでも巨大なピラミッドの底辺の石のひとつとして終わってしまうことだろう。

次ページお笑い界への10の提言
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事