日産「ゴーンの負の遺産」が重い足かせになる訳 6000億円構造改革は「終わりの始まり」象徴か

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日産がサバイバルを目指す2023年には部品さえ購入すればベンチャーでも完全自動運転のEVを発売できることになります。その時代、自動車のコア部品は電池と人工知能になると予測されています。

実はこれはかつてパソコンメーカーがさっぱり儲からなくなったときの事業構造変化と似ていると危惧されています。インテルのCPUとマイクロソフトのOSを購入すれば、誰でも同じ性能のパソコンを組み立てられる時代が来ると、IBM、東芝、NEC、富士通、ソニーといった大企業のパソコン事業は軒並み大きく収益性を下げる結果になりました。

世界の時価総額ランキング上位にはマイクロソフトとインテルが君臨する一方で、IBMはパソコン事業を中国のレノボに売却し、日本の各社ともパソコン事業を縮小し、売却し、最終的には生き残りをかけて合併していくことになりました。

ダイソンはEV開発から撤退

自動車はエンジンのみではつくれず、例えば衝突安全性能を確保するためには膨大なコストとノウハウが必要になるなど、参入障壁は高く、異業種企業が入ってきても、そう簡単には競争力を確保できないという見方もあります。2019年秋にイギリスの家電大手、ダイソンはEV開発から撤退すると発表しました 。

それでも、日産の構造改革計画の先にあるのは、自動車産業全体にとっては新しい競争原理にさらされる未来なのです。2020年代の自動車産業は、自動車を開発し製造し販売する部門の利益は激減する一方で、「CASE」と呼ばれる新たな事業フロンティアで市場は大きく発展すると予測されています。

それぞれC(コネクテッド)、A(自動運転)、S(シェアリング)、E(EV=電気自動車)の頭文字からとられた言葉なのですが、その4つのキーワードの下では自動車は製品としてではなく社会システムとして大発展を遂げることが期待されています。

自動車産業ではコロナショック以前から「100年に1度の大変革期」と言われてきました。自動車産業の競争軸がサービス領域にシフトすると、車を開発・製造し、販売するという従来のビジネスモデルでは十分な収益を上げられなくなります。

最大のキーワードはコネクテッドで、そこでは3つの巨大な事業機会が自動車産業を変えていきます。1つ目がIoT、5Gといったテクノロジーによって都市を走る自動車すべての情報が統合(コネクテッド)されることで、物流や人の流れが最適化されていく未来です。日本の鉄道が秒単位で正確に運行されていくように、都市全体の車の流れが秒単位で管理できる時代がやってきます。そのコントロールシステムが生み出す社会経済価値は莫大です。

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