トヨタ「新型ハリアー」異例ずくめ発表だった訳

全車種併売化の目玉車種にもコロナ禍の煽り

2020年6月ごろの発売を予定している新型ハリアー。1997年に初代が誕生して以来、今回が4代目となる(写真:トヨタ自動車)

まさに「静かに発表された」というのが、的を射た表現かもしれない。

トヨタ自動車は4月13日、SUV(スポーツ多目的車)の新型「ハリアー」を6月ごろに国内発売すると発表した。1997年に初代モデルが登場したハリアーの全面刷新は約6年半ぶりで、今回のモデルで4代目となる。「都市型SUV」を謳い、流麗なクーペフォルムが特徴的だ。

今回、ハリアーとして初めて新世代プラットフォーム「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を採用した。TNGAには車のサイズに応じて複数の種類があるが、現行型の「RAV4」や「カムリ」、「レクサスES」と同じものを採り入れた。ボディの高剛性化と低重心化により、乗り心地と走りの両立を目指したという。

看板車種の発表がプレスリリースのみ

新型ハリアーは「全車種併売化の目玉」としての役割を担う。トヨタの国内販売は高級車ブランドの「レクサス」を除くと、これまで「トヨタ」「トヨペット」「ネッツ」「カローラ」の4チャネルで展開されてきたが、5月から全チャネルで全車種を取り扱う。

新型ハリアーは予防安全機能も拡充され、昼間だけでなく夜間の歩行者や自転車(昼間)も検知できるようになった(写真:トヨタ自動車)

従来はトヨペット店の専売車種だったハリアーは、併売化に伴い全チャネルで販売される。併売化のアピールという重責を担う看板車種であるにもかかわらず、新型ハリアーの発表はプレスリリースのみだった。

異例の対応を余儀なくされたのは、新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言が出されているためだ。4月7日に政府は東京都や大阪府など7都府県を対象地域として緊急事態宣言を発表。4月16日には対象地域が全都道府県に拡大した。

自動車業界も大きな影響を受けている。日系自動車メーカー各社は海外需要の急減により、4月に入ってから国内でも大幅な減産を実施。トヨタも4月~5月の2カ月間で国内工場において12万台を減産する異常事態になっている。「3密(密集、密室、密接)」のリスクが高いため、記者を集めて開く新車の発表会や試乗会は、国内で感染が急拡大した3月以降は皆無だ。

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