子どもの日常を支えるオンラインケアの可能性 親も子も限界!withコロナ時代のサポート

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「東日本大震災のときにも起こったことです。災害時に学校に行けず、親が生きるために精いっぱいの状況では、子どもたちに丁寧に関わる時間を十分に取ることができず、彼らに孤独を感じさせてしまうこともあります。中には、つながりに飢え、繁華街やSNSなどを通じて望ましくない関係性に依存してしまう子どももいます。

今回も同様のことが懸念されたので、臨時休校が始まった3月2日当日に、オンラインを通じた居場所『カタリバオンライン』の開設を検討し、その2日後にはサービスをスタートしました。これは私たちが今まで被災地で行ってきた対面の支援活動に近いものをオンライン化した取り組みです」(今村氏)

多彩なプログラムで、楽しく安心な居場所をつくる

「カタリバオンライン」はWeb会議サービスZoomを通じて、キャストと呼ばれるボランティアの大人たちが、スタッフとして子どもたちと直接つながる。

臨時休校中、家族以外とのつながりを断たれた子どもの心身を、オンラインにてサポートする取り組みが立ち上がった(写真:認定NPO法人カタリバ提供)

プログラムのある時間帯は原則平日の9:30〜17:30、休日は9:30〜14:30。同法人はこのサービスを学校の臨時休校の影響を受ける子どもたちのために、無償で提供している(2020年5月時点)。

プログラムの軸は大きく分けて下の4つ。子どもの生活リズムを整えたり、知的好奇心を刺激したり、仲間とのつながりをつくったりするものだ。

1、毎日同じ時間に顔を会わせ子どもたちが活動報告をすることで、生活リズムを整えて日々のモチベーションをアップする、朝夕のサークルタイム
2、フィリピン在住の英語ネイティブによる英会話、絵画、ダンスレクチャーなど、専門スキルをもった「師匠」主体のグループワーク
3、キャスト見守りの下で各自学習を進めたり、おしゃべりを楽しむなど、子どもたちが思い思いに過ごす場
4、子どもの発案によるワンテーマ企画やクラブ活動など、子ども主体の活動

プログラムはすべて任意参加で、評価もつけない。サービスの提供時間内であれば、子どもたちはつながりたいときに、自分でプログラムを選び、無制限に参加することができる。

次ページ親が忙しくても「カタリバがあるから大丈夫」だという安心感
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