子どもの日常を支えるオンラインケアの可能性 親も子も限界!withコロナ時代のサポート

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「いちばんの目標は、親子の安心安全な居場所づくりです。まずは子どもたちに『楽しそう』だと思ってもらい、安心なコミュニティーを提供することが大切。そのうえでキャストとの関係性の中で自分の”成りたい像”を見つけたり、自分が”やりたいこと”に出合ったりといった経験を経て、チャレンジ、そして自己実現までの機会を提供したいと考えています」(今村氏)

現在登録者数は1800人を超え、1日に延べ100人程が出入りしている。台湾やオーストラリアなど海外からの利用者もいる。ほとんど宣伝をしていないにもかかわらず、口コミで集まってきた子どもたちだ。

次の利用者の言葉からは、カタリバオンラインが子どもにとっても親にとっても大切な居場所になっていることがうかがえる。

全国に散らばるスタッフが、オンラインで子どもたちを見守っている(写真:認定NPO法人カタリバ提供)

保護者の感想は?

「一斉休校が始まってからは、1人で留守番をしているのですが、息子が『カタリバがあるから時短で働かなくても大丈夫だよ』と言ってくれました。『今までお互いを知らなかったけど、カタリバの友達と話せるのがうれしい』とも。休校が始まってからは学校の友達とは会えていませんし、話す相手が限られてしまうのはストレスなんでしょうね」(小3の保護者・愛知県在住Oさん)

「私は仕事に出てしまうことも多いので、基本的には子どもだけで参加をしています。『イタリア人との交流プログラム』や『フィンランドの学校を見に行こう』などのプログラムを通して、自分がいる場所以外の世界に目を向けるようになったのが、とてもよかったです」(小5の保護者・愛知県在住の金子さん)

子どもたちのコミュニティーの中心である学校。それが突然失われた心の穴を、オンラインのつながりが補填しているようだ。オンラインならではの遠隔地の友達との交流や、国際色豊かなプログラムも、子どもたちは積極的に楽しんでいる。同法人はパソコンやWi-Fiのない困窮世帯向けに無償で接続環境をレンタルする「キッカケプログラム」の導入も開始し、裾野を広げている。

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