在宅勤務で「会社PC」故障、賠償義務は生じるか 不注意で飲み物をこぼしてしまった事例も
新型コロナウイルスの感染拡大で、在宅勤務が広がっていますが、苦労するのは作業場所の確保です。
ツイッターでは、「リモート会議中にドリンクこぼした人の画面が乱れた」「PCに醤油をこぼした」「早速パソコンにコーヒーこぼした」など、パソコンに何かをこぼしてしまったという声がありました。
また、2歳の子どもがいる30代男性は、「子どもがノートPCに興味津々なので、仕事をしていると、キーボードを触ってきたりPCを閉じたりなどの妨害を全力でして来るんです」と嘆きます。子どもがうっかり会社貸与のものにいたずらしないか、目が離せないという人も多そうです。
在宅勤務中のちょっとした不注意で、PCなど会社の備品を壊した場合、従業員が賠償する義務はあるのでしょうか。今井俊裕弁護士に聞きました。
簡単に「賠償義務を負う」とはならない
――在宅勤務が広がり、ヒヤッとした経験がある人も多そうです。賠償義務については、どう考えられますか。
在宅勤務中に、会社から貸与を受けて自宅で利用していたパソコンなどを故障させてしまったからといって、それでただちに従業員が賠償義務を負うかと問われれば、そう簡単に負う義務が生じるとは思えません。
――なぜなのでしょうか。
まず、在宅勤務ではなく、通常どおり会社のオフィスでパソコンを利用して業務している最中であっても、そう簡単に従業員が賠償義務を負うという結論にはなりません。
従業員は会社の業務遂行の一環として機器を利用しているのであり、会社も従業員が指示した業務を遂行させるために会社の備品を利用させています。
例えば従業員が故意に壊したとか、あるいはそれに準じるような重大な過失が認められなければ、通常は賠償義務を認めることは困難です。