在宅勤務で「会社PC」故障、賠償義務は生じるか 不注意で飲み物をこぼしてしまった事例も

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また、仮に、裁判所が賠償義務を認める場合でも、被害額全額ではなく、その一部の金額であることが多いです。

在宅勤務「会社が引き受けるリスクは広くなる」

――在宅勤務の場合は、どう考えられますか。

会社からの指示による在宅勤務となると、さらに会社が甘んじて引き受ける負担やリスクの範囲は、狭くなるというよりも、むしろ広くなると考えるのが妥当でしょう。

当然、自宅内であることから、周囲に上司や同僚もいません。そのような環境ならば、リラックスしたり、ついついコーヒーを飲んだり、昼食の休憩時間以外に飲食したりする機会は、オフィスよりも多いはずです。

それは自宅勤務を命じた会社としても容易に予見できることであるし、それをある程度は了承したうえでの指示であるとも言えます。

とすれば、例えば、在宅勤務中に従業員が飲料をこぼしたなどの理由で貸与を受けていた機器を故障させてしまった場合は、オフィスで業務中に壊した場合よりもさらに従業員が免責される範囲は広いでしょう。

今井 俊裕(いまい としひろ)弁護士/1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における、開発審査会の委員、感染症診査協議会の委員を歴任。
事務所名:今井法律事務所

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