日本が外国人の「一律入国拒否」を貫く大問題

長期滞在者や外資系企業からは批判の声

「日本に住んで40年になる。6月中旬にはフランスに帰らなければならないのだが、帰国できなくなった」と、駐日フランス領事顧問のイヴリーヌ・イヌヅカ氏も頭を抱える。

水面下では、各国の領事館職員が日本政府に自国民の窮状を訴えようと奔走している。外交官が切迫した事情を伝えても、法務省は無反応だ。「法務省ではなく、意思決定機関でない外務省を通さなければならない」と、あるヨーロッパの外交官は言う。

長期滞在者にまで影響が及ぶ日本による入国規制は人道上問題があるほか、ビジネスや研究にも障害が出る可能性がある。EUは日本を含む永住者や長期滞在者のヨーロッパへの帰国を禁止していないため、不平等な状況でもある」と、別のEU関係者は話す。

長期滞在者と日本人の違いは何か

報道によると、出入国在留管理庁は、今回の措置はパンデミックの拡大を遅らせるためのものとして、自らを正当化している。しかし、長期滞在者と日本人の区別は、健康上の理由から正当化できるものではない。両者とも海外から新型ウイルスを持ち帰るリスクは同じである。海外から来る人々がリスクなのであれば、日本人も同様に排除されなければいけない。

「長期滞在者の外国人が日本人よりもウイルスを持ち帰るリスクが高いなんてことがありうるだろうか」と、フランス外務省のケ・ドルセー氏は疑問を投げかける。

同省は、ヨーロッパの他の外交当局と同様に、日本の一方的な政策に特にいら立ちを感じている。なぜなら、ヨーロッパに滞在する日本人の長期ビザ保持者は、EUに自由に出入りできるからだ。

「コロナ危機が始まった当初、日本の当局はウィーン条約を反故にし、外交官に拘束の可能性を受け入れさせようとさえした」と、ヨーロッパのある関係者はいまだに信じられないという面持ちで語る。

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