K-POP旋風牽引「BTS」愛読書に学ぶ5つの知恵 アフターコロナ時代に自分を磨く方法
K-POP旋風を牽引するBTSの発信力
一昨年の元徴用工判決(韓国の最高裁が日本企業に対して戦時中の強制労働被害者への損害賠償を命じた)をきっかけに、日韓関係は一気に冷え込んだ。それに追い討ちをかけたのが、新型コロナのパンデミックだ。
3月1日、文在寅大統領は1919年の三・一独立運動を記念する式典で、日本に対して「共に危機を克服し未来志向の協力関係へ努力しよう」と呼びかけたが、その直後の3月5日、日本政府はコロナ感染予防のため、韓国・中国からの入国を厳しく制限する措置をとった。面子を潰された格好の韓国政府は、「相互主義」に基づいて日本人のノービザ入国を停止、日韓の人的交流はほぼ途絶えたままだ。
だが、国同士の関係がぎくしゃくしていても、K-POPファンは動じない。少なくとも緊急事態宣言が出される前まで、東京・新大久保のコリアタウンは若者でごったがえしていたし、去年から筆者が講師をしている女子大学でも、70人を超える学生が朝鮮韓国語を受講している。
その多くがK-POPファンだ。教え子の何人かは去年の夏休み、日本のワイドショーが韓国の「反日」の動きを誇張して伝えるなか、親の反対を押し切って韓国旅行を楽しんできた。
このK-POP旋風の牽引車は、何と言ってもBTS(防弾少年団)だろう。BTSを世界的スターダムにのし上げた魅力は何だろうか。1つは、メンバー全員が作詞作曲をするというオリジナリティー。もう1つは「ARMY(アーミー)」と呼ばれるファンたちとの、SNSによる国境を超えた双方向コミュニケーションだろう。その2つの軸から打ち出される強いメッセージ性こそが、BTSの人気の核だと言える。
こうしたBTSの発信力はどこから来るのだろうか。その秘密を解くカギの1つは、読書にある。読書家として知られるリーダーRMをはじめ、BTSのメンバーたちは折に触れてお気に入りの本をインタビューで紹介したり、その一節を歌詞に引用したりしてきた。そして、それがSNSを通じて「#MeToo」運動などと結びつき一種の社会現象にもなった。
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