既婚男性の「男らしさ規範」がもたらす光と影 夫・妻が借金したら、一緒に頑張るか別れるか

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それによると、既婚女性で「一緒に頑張る」が多くなるのは、「自分の年収が400万円未満」と「結婚は金より愛が大事だ」と答えた人たちだけでした。「結婚は金である」と回答する女性が「別れる」を選択するのは当然として、子どもがいようがいまいが関係なく、年収や貯金に関しては、自分の年収や貯金額が多い女性ほど「別れる」派が多いのです。

既婚男性は?

対して既婚男性を見ると、「結婚は金だ」「貯金600万円以上」の人が「別れる」派なのは既婚女性と同様ですが、ほかはことごとく逆です。まとめると、年収400万以上で、貯金は600万未満、子の有無関係なく、結婚は愛だと考えている既婚男性は、妻の借金をなんとかしようとするのです(※年収400万円及び貯金600万円は調査対象者の平均値で分けています)。

そして、注目したいのが、「男女規範の強い」既婚男性ほど「一緒に頑張る」率が高い点です。「なぜか自己肯定感が低い日本の未婚男性の実像」という記事でも解説したとおり、既婚男性の自己肯定感は高いのですが、これは同時に、「男は男らしく、女は女らしくすべきである」という男女性別規範の強さと相関しています。

つまり、「男らしさ規範」が強い既婚男性ほど自己肯定感も高く、幸福度も高い。逆に言えば、既婚男性の生きがいとは、妻や家族を自分が養っているという意識が支えていると言っても過言ではないでしょう。だからこそ、既婚男性は、自己の年収を超える借金を妻が作ったとしても、なんとかしようと踏ん張ってしまうのだと思います。

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