「女性の社会進出」妨害する日本の悪習の正体

「役割の押し付け」「賃金格差」問題は山積みだ

その女性本人がどれだけ優秀だったとしても、会社側からすれば「子どもが熱を出すたびに休むのではないか」「早い時間に帰らないといけないのではないか」という不安から、男性の選考対象者のほうが条件的に有利になると言わざるを得ない、というのだ。

女性としては大変腹立たしいことではあるが、今の日本の現状を考えるに、人事担当の言っていることがまったく間違っている、とも言い切れない。企業にはより利益を生み出すであろう人間を面接で選別し、雇用しようとする動機があるためだ。

「子育て」「家事」今も女性に押し付ける日本

女性の社会進出が掲げられていても、日本社会にはいまだに「子育ては女性のもの」「家事は女性がやるもの」といった風潮が根強く残っていて、多くの企業や人々が変わろうともせず、負の遺制に依存し、女性にその役割を押し付けているのだ。

国や政府はこうした問題には目もくれず、ろくな保障もしない。形だけ取り繕った「女性の社会進出」をうたい、そのため社会的土壌も育てず、保育所不足が深刻な状況下でも「重要なポストは任せられないけど、子どもがいる女性も当然働いてください。家事育児はもちろん女性で、男性はこれまでどおり仕事に重きを置いてね」と言わんばかりだ。

その結果がジェンダー・ギャップ指数121位であり、「保育園落ちた日本死ね!!」だったのだと思う。

政府が「女性の社会進出」や「少子化対策」をうたうのであれば「子育ては女性がメインで行うべきもの」という日本の陋習(ろうしゅう)を、ここで断ち切るべきだろう。「女性の社会進出」と「育児は女性のもの」論は、令和を迎えた今でも矛盾が解消されることなく、子どもを持つ女性たちの首を絞め続けている。

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