「上司のいじめ」で肺に穴開いた27歳女性の胸中 カーディガン着ただけでキレる鬼上司の恐怖
「会社で突然苦しくなって、うまく呼吸ができなくて病院に行ったら肺に穴が空いていて。いつのまにか、ストレスで呼吸がずっとおかしくなっていたみたいです」
中原静江さん(仮名・27歳)は喉の奥につっかえているものを吐き出すように、少しずつ、静かに話し始めました。
彼女を苦しめた「女部長の嫌がらせ」
彼女は、子どもの頃から警察官になることが夢だったといいます。大学在学中に警察官になるために試験を受け、筆記試験はクリアしたものの、体力試験で不合格となってしまいました。きゃしゃで色白な、見た目にも印象的な美人で、後から彼女自身も話してくれたように、外見からも体があまり強くないことがうかがえました。
大学卒業後、事務員として商社に入社した彼女を待っていたのは、入社以前に聞いていた労働条件とは異なる劣悪な環境と、会長の娘である40代半ばの総務部長からの執拗な嫌がらせでした。
中原さん以外の同期の女性社員は入社後、総務部長に早々に泣かされた一方で、中原さんは「絶対に泣かない」と決めていて、「今思えば、それが気に食わなくてターゲットにされたのかもしれません」と、苦笑いをしながら当時を振り返ってくれました。
中原さんは毎朝8時前に出社して、30分かけて社員全員の机を拭き、始業までに掃除を終わらせておくように指示を受けていました。「新入社員がやって当然だ」という総務部長や長年勤めている女性主任の主張とは裏腹に、朝イチの出社や雑務を強制されるのは、新入社員の中でも、次第に中原さんだけになっていったと言います。
誰かがやらなければならない仕事を、押し付け合って誰もやらない。そんな状況を無視できなかった彼女の真面目さに付け込んで、徐々に「雑用は全部中原さんがやってくれるから」という雰囲気が社内全体に広がっていきました。営業職の男性社員は、自分が飲んでいた水をこぼしたとき、「中原さん、水。こぼした」と言い、わざわざ中原さんに床を拭かせたといいます。
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