「上司のいじめ」で肺に穴開いた27歳女性の胸中

カーディガン着ただけでキレる鬼上司の恐怖

中原さんはこの会社に、大学のキャリアセンターからの紹介で入社。内定前の面接で、彼女は警察官になる夢を諦められていないこと、また採用試験を受けるつもりでいるため長くは勤められないことを、面接官であった総務部長に正直に話したと言います。会社側は中原さんの申し出に理解を示しつつ「できれば3年は頑張ってほしい」と伝え、内定を出しました。

面接で話したときの総務部長の印象について、中原さんは「優しくていい人そうだなと思った」と振り返ります。しかし入社後すぐに、それはとんでもない誤認だったと気が付きました。

中原さんは、ほんの少しでも気に入らないことがあると、すぐに総務部長や主任の女性から給湯室に呼び出しを受け、毎日のように1時間にもわたって執拗に詰(なじ)られました。怒られる理由は「まだそんなに寒くないのに私より先にカーディガンを着るな」とか、「顔がムカつく」とか、「男性社員に話しかけられていた」とか、理不尽なものばかりです。

ネイルを理由に1時間近く叱責される

しまいには、女性社員たちが会社にネイルをしてくるようになったとき、総務部長はすぐに自分のネイルを落としてきたうえで、唯一ネイルもマニキュアも塗っていなかった中原さんを呼び出し、「その爪なんなの? そんな爪の長さで仕事ができると思ってるの?」と1時間近く激怒したと言います。

「なぜ中原さんを呼び出したんでしょう?」と私が聞くと、中原さんは「多分、いちばん初めにネイルをしていたのは総務部長で、それを見て『あ、この会社ネイルOKなんだ』ってみんながネイルをし始めたんですけど、総務部長はそれが気に食わなかったんだと思います。

でも、自分がネイルをしていた手前『ネイルをしてくるな!』なんて怒りづらいじゃないですか。だから、ネイルを落としてきて、私の爪の長さ、そんなに長くなかったんですけど、それを指摘してきたんだと思います」と答えました。

「でも、それじゃあ肝心のネイルをやめさせることはできないのでは?」と続けて質問すると、「私が呼び出されて給湯室から出てくると、いつもみんなが『何言われてたの?』と聞きにくるんです。だから、総務部長はそれを狙ってたんだと思います。

私が爪の長さで怒られた、となると、『じゃあ、ネイルも怒られるかもしれないよね、落としてこないと』ってみんなが思うように仕向けるために、私を利用したんです」と答えた中原さんの顔には、すでに笑顔はありませんでした。

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