「上司のいじめ」で肺に穴開いた27歳女性の胸中 カーディガン着ただけでキレる鬼上司の恐怖

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雑用をすべて押し付けられ、自分の仕事もやらなければならなかった彼女は、何とか定時までに膨大な業務量を終えるため、昼食の時間を削って仕事に当てるようになります。たとえ定時を超えて仕事をしても、残業代は出ません。それであれば、定時までにすべてを終わらせて帰りたい、という中原さんの気持ちは当然だと言えるでしょう。

しかし、仕事を完全に終わらせて定時で帰ろうとした中原さんは、総務部長から「定時に帰って、家で何かすることでもあるの?」としつこく叱責を受けました。

中原さんは一人暮らしのため、買い出しも料理も家事もすべて自分でやる必要があり、終業後、毎晩限られた時間で終わらせています。一方で、総務部長は独身、実家住まい。毎日、会社の真上にある家に帰ると、母親が作った温かい料理が出てくるうえ、家事をやる必要もありません。

労基をあざむく「裏タイムカード」

仕方がないので帰るのをやめてみんなの仕事を手伝おうとするも、中原さんが目にしたのは、残業しているように見せかけてゲームをしたり、スマホを触って暇つぶしをしたりしている社員たちの姿でした。

彼らは仕事が終わらないから帰れないのではなく、意味もなく会社に残り続けていたのです。まさに「残業こそ正義で、定時に上がるのは悪」を地で行くような会社であり、評価基準も「残業をしているか否か」で判断されるのだと言います。

「タイムカード、一応あるんですよ。毎日21時か22時くらいまでは残業していたし、休日出勤もしていたけど、手当は一切出なくて」と言う中原さんに、私は思わず「タイムカードがあるなら、残業代を支払っていない証拠になるのでは?」と聞きました。

すると彼女は「実は、それとは別に『裏タイムカード』というものがあって。労働基準監督署が来たときに提出する用に、社員は全員、勝手に裏でタイムカードを定時に切られています。要は、残業させていることを隠蔽するためのものですね」と答えました。

続けて「残業代は払ってくれないのに、私たちが『タイムカード』を切り忘れると、1回100円の罰金を支払わないといけないんです。それも、総務部長が着服しているんですけどね」と話す中原さんは、ほとんどあきれたように笑っていました。

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