秋に猛毒化?「コロナ第2波」正しく迎え撃つ方策 これから夏にかけて考えておくべきこと
「欧州やアメリカ東海岸(ニューヨークなど)の大西洋を隔てて広がるエリアのコロナと、アジアやアメリカ西海岸(ロサンゼルスなど)の太平洋エリアのものでは、感染力も死亡率も大きく異なります。
同じコロナウイルスでも種類が違う可能性が高い。より猛毒性があると思われる大西洋タイプが入ってきたら、これまでの対策ではもたないでしょう」(上理事長)
新型コロナで子どもの足などが赤く腫れる川崎病のような症状や血栓ができる症状は、海外では報告されているが日本はまだ。つまり、日本人にとっては未知の種類である可能性もあるのだ。
グローバル化した世界ならではの感染拡大の懸念を前出の勝田教授が示す。
「日本などの北半球はこれから気温が上がり感染拡大は減り、南半球は逆に感染が増える可能性があります。今後の自粛の解除によって人の行き来がまた増えれば、南からウイルスが侵入することがありえます」
ウイルス学が専門の日本医科大学の北村義浩特任教授も、
「最初は暑さには弱いといわれていたけれども、南半球のシンガポールやオーストラリアでも発生した。また、味覚や嗅覚の異常もあとから報告されるようになったように、わからなかったことが多い。今後も未知の症状が出てくることも十分に考えられる。私は日本国内の新型コロナも、県や地域によって違う種類なのではと見ています」
と語る。先の佐藤院長も、
「実際に感染が拡大しないとわかりませんが、ウイルスは変異していく特性があるので、より凶悪化していくおそれもあります」
と、やはり警戒する。
今後の3密以外の夏対策
では、次にくる大きな波のために、国や自治体はどういう対策を立てるべきか──。
「今回のような感染者数や死亡者数だったのは、妥当だったのかは検証や反省をしてみなければなりません。日本はPCR検査が他国に比べ圧倒的に少なく、検査をせずに回復した方や亡くなった方が多いはずで、実態がつかめていません」(北村特任教授)
「保健所の強化や呼吸器系の医療従事者の確保が必要だと思います。今回は、ぎりぎりのところで医療崩壊を食い止めたといえると思いますが、次回はさらに過酷な状況になれば病院は混乱します」(佐藤院長)