テレビがコロナ前に戻るのがここまで難しい訳 あらゆる番組が制限だらけ、「煽り」もご法度

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グルメリポートは、ひとくち食べて「うわぁおいしい!」と声を上げるような行為がやはり推奨されていないが、こちらはどうなるのか。

飲食や観光業を応援するという意味でも、情報へのニーズがあるのは事実なので、視聴者がどこまで許容するのかを慎重に見極めないといけない。

現時点でも、客数が減った飲食店による“苦肉のテイクアウト”“お弁当”を取材しているニュースや番組もあるので、ここは内容次第である。

“雛壇タレント”の出演機会は激減か

一方、スタジオ収録では、いわゆる“雛壇”番組は人数を絞って収録を行うことになるだろう。「使えるタレント」が厳しく選抜されるので、自ずと出演が減るタレントも出ることになる。

そして「VS嵐」(フジテレビ系)のような身体を使ったゲーム系の番組は難しい。ある程度内容を変えて作っていくことになるのではないだろうか。

ドラマに関してはNHKなどが「安全対策を万全にしたうえで徐々に撮影を再開」としている。大河ドラマ「麒麟がくる」も6月第2週から約2カ月の中断を経て8月上旬には再開をするという。

各局とも撮影場所やスタッフの人数などを考慮しながら元に戻していくだろう。

すでに「全編リモート撮影によるドラマ」も実現しているのだが、これはあくまで“特殊な状況下でのドラマの可能性を模索した企画”と捉えるのが自然だ。

私がもっとも心配しているのはスポーツ中継である。

大相撲夏場所は中止になった。名古屋場所の開催も不透明である。プロ野球の開幕はいまだに検討中、高校野球夏の甲子園も中止が決まった。

私が企画会議に出ていた、あるキー局のスポーツ局も現在ほとんど仕事がなく、一緒に仕事をしていた制作会社はこの3カ月、無収入が続いているという。

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