「里地里山ツアー」コロナ収束後を見据えた端緒 新機軸探る屋久島や埼玉県小川町の取り組み

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屋久島初の水力発電機(2017年1月、撮影:河野 博子)

新型コロナウイルスの感染拡大により外国人観光客が途絶えたうえ、緊急事態宣言以降は国内の旅やレジャーも控えるよう求められ、日本各地の観光関連産業が大打撃を受けている。

そんななか、着目されるのが里地里山ツアー。鹿児島県屋久島では、感染拡大収束を見据えて、「里めぐり」の関係者が新機軸を準備中。都県境をまたぐ移動の自粛が呼びかけられる首都圏では、埼玉県小川町の人たちが「身近な里山を歩いてみよう」という企画を模索する。産業経済の復興は足元から。ツアー新事情には、そんな願いが込められる。

屋久島里めぐりにジワジワ人気

世界自然遺産に登録された屋久島は、「縄文杉」が有名だ。島全体がいわば山岳地帯で、海抜1000mを超える山が40以上もあり、中央部には樹齢1000年を超える屋久杉の原生林がある。その中の大木は縄文杉と呼ばれ、ひと目見たいという登山客が絶えない。

屋久島の「里めぐり」は、縄文杉だけではなく集落に伝わる歴史や文化、人々の暮らしも見てほしいという取り組みから始まった。屋久島環境文化村センター(公益財団法人屋久島環境文化財団運営)内に「推進協議会事務局」が設けられ、2012年度に本格スタート。地元の語り部さんと一緒に集落を2~3時間かけて歩く基本コースが7つの集落で設定されている。

私は「永田集落」の里めぐりに参加したことがある。2017年1月のこと。「これは、屋久島で最初にできた発電所です」と案内された大正15(1926)年に稼働した水力発電機。国を相手取って訴訟を起こし、森林や土地を一時集落の民有地としたリーダーを讃える碑。

こうした史跡もさることながら、楽しかったのは、ミカン農家である語り部さんの説明だった。道端の植物を料理などにどう使うか、クモの変わった巣作り、台風に備えた家のつくり、一等地の共同墓地について。すばらしい香りのミカンも味わえた。

観光スポットを回る途中や出発前の空き時間に参加でき、参加費も1人1500円とリーズナブル、と手が届きやすかったからだろうか。里めぐりは徐々に人気を呼んだ。参加人数は、2012年度の174人が2018年には1497人へと8.6倍に。2019年は5月の豪雨の影響で参加人数が減ったが、それでも前々年より多い823人が里めぐりを楽しんだ。ほとんどが国内の旅行者だ。

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