1位の原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、2011年の福島第一原発事故を受けて、事故に伴う損害賠償のために必要な資金を交付することを目的に設立された、官民共同の許可法人だ。その平均年収は1000万円に迫る。
現在では、損害賠償のほかに、福島県の廃炉を支援する業務も担っている。職員の大半が物価の高い東京で業務にあたっているために地域手当が手厚いこと、企業会計の専門家が所属していること、廃炉に関する専門性の高い技術的支援を行う特性などから、給与水準が高くなっている。
専門性の高い研究者が多いほど給与も高い
ランキング2位は理化学研究所で、平均年収は979万円。日本を代表する自然科学の研究機関として長い歴史を持ち、新型コロナウイルス関連の研究も担う。
常勤職員359人のうち研究職員が半数近い154人(平均年齢52.1歳)を占め、研究職員の平均年収は1094万円と高いため、全体の平均年収も押し上げられた。
3位の日本医療研究開発機構は、内閣府所管の医療分野に特化した研究開発法人だ。現在、新型コロナウイルス感染症に関連し、ワクチンや治療薬開発に関する研究開発の主導的役割を期待されている。
下位を見ると、多くは医療の最前線を担う独立行政法人が並ぶ。
国立病院機構(94位)を例にとると、常勤職員4万0801人のうち、病院看護士が2万6934人を占めていることがわかる。看護師の平均年齢は37.3歳と若く、平均年収は493万円だった。
ランキングは全常勤職員の平均額となっているので、若い看護師の比率が高いために平均年齢が押し下げられ、その分、平均年収も下位になっていることが読み取れる。
調査対象法人の合計職員数は10万7046人になる。地域特性や年齢、専門性の高さに応じて多少の年収格差はあるものの、たとえランキング下位の法人でも一定水準以上の給与が保証されると考えてもよさそうだ。
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