「自由」を危機にさらす「全員PCR検査論」の罠 「誰のためのPCR検査なのか」冷静に考えたい

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一人ひとりの工夫で対策したい(写真:ロイター/アフロ)

そこを訪れる人の行動半径の小ささからしても、児童公園が集団感染のハブになるのなら、連休前の急激な感染拡大期などに練馬区中村クラスターや港区南麻布クラスターなどというような狭い地域における集団感染が、少なからず観察されていたはずである。それが一例も報告されていないこと自体、専門家会議のいう「3密」のうちの「密閉」の条件を満たさない児童公園は、そもそもクラスターになりにくいことを示しているように思われる。

私たちが心掛けることは、感染者を探し出すことでもないし、官製自粛運動からはみ出した他者を糾弾することでもない。自分が感染者かもしれない可能性を踏まえて自律的に行動することである。起こっていることに対する理解と自律的行動――それこそが自由の基盤である。日本は、いかに苦しくても、自由の心を守りながら、この事態に対していくべきと筆者は思っている。

岩村 充 早稲田大学名誉教授

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いわむら みつる / Mitsuru Iwamura

1950年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。日本銀行企画局兼信用機構局参事を経て、1998年より2021年3月まで早稲田大学教授。2021年4月より早稲田大学名誉教授。2017年7月に(社)自律分散社会フォーラムを設立し代表理事に就任。『国家・企業・通貨』(2020年2月・新潮選書)、『ポストコロナの資本主義』(2020年8月・日本経済新聞出版)など著書多数。

 

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