プレイヤーから脱皮できない人の4つの特徴 ダメ上司のありがち「PDCAサイクル」

拡大
縮小

もしも「D(実行)」だけ落としているとしたら、それは本当にもったいないことです。あなたが考えた計画を元に、ただ実行だけする、それでは部下のポテンシャルを引き出すことはできません。計画をつくるトレーニングをする必要があります。

仕事に取りかかる(D)前に、計画をつくらせる。その計画を一緒にみてアドバイスをすることでムダな行動が減り、成果をあげる計画設計ができるようになります。

それができたら「検証」も自分でできるように育てる必要があります。データを集めて成果を確認し、より成果を出すにはどうしたらいいか、改善提案を出してもらうのです。

このようにPDCAサイクルそのものを任せることができると、部下の成長スピード、主体性が飛躍的にあがります。したがって、あなた自身がPDCAサイクルを回せるようになったら、今度は部下がPDCAサイクルを回せるように育成しましょう。

どの程度未来に見通しを持てている?

マネジメントができるというのは、「計画性」を高めることでもあります。計画があるから検証することができ、改善に向かうことができます。
計画がなければ、成果が出たとしてもそれがたまたまなのか、狙って取れたのか、判別がつかず、成果の再現性が著しく低くなってしまうからです。

仕事を任せて時間ができたら、上司は「計画性」を高めるべきです。人を動かすには明確な「計画」が必要です。計画がなくても実行できるのは自分だけです。何でも自分でやってしまう人は計画を立て、他人と共有するのが苦手な傾向にあります。

では、あなたはどのくらい先の未来を見据えて計画を立てていますか?

明日の計画を持っているビジネスマンは多いと思います。明後日の計画もおそらく持っているでしょう。ですが、1週間後はどうでしょうか? 1カ月後はどうですか? 3カ月後、半年後、1年後、3年後、5年後、10年後……。先の未来になればなるほど、計画性は乏しくなるのではないでしょうか。

仕事を任せることによってできた時間を、将来の計画立案に費やし、計画を元に実行したら、それを検証しましょう。すると改善点が見つかるので、新たな計画を練り直します。このプロセスを通じて、あなたの仕事の生産性を変えることが重要なのです。

「おのを研ぐ」という表現があります。仕事を「木を切ること」だとすると、ただやみくもに、何の計画もなく木を切るだけでは生産性はあがりません。いつおのを研げばいいのか、どのくらい木を切ればいいのか、計画に基づいて取り組み検証することで、生産性が飛躍的に上がるはずです。毎日生産性を追い求めるからこそ、仕事の質と量は向上していくのです。

では、仕事を任せた後、上司は何をするべきか。それは、まずあなた自身が計画を持ち、実行して検証、改善するプロセスを持つこと。次に、部下にDだけでなく、PDCAサイクルそのものを任せ、部下をマネジメントができる人材に育てること。このサイクルをぐるぐる回すことで次のビジョンが見つかり、さらにPDCAサイクルを効果的に回していくことができます。

そうすれば、あなたは、暇をもてあましたり、誰かのモチベーションアップだけで1日が終わったりすることもありません。取り組むべきマネジメントに着手し、マネージャーへの脱皮を図っていきましょう。

アルファポリスビジネスの関連記事
メンバーが自発的に動き出す、リーダーの「魅力的なビジョン」の描き方
部下の「インプット」さえ変えれば、上司を越える「最強の部下」が育つ!?
部下にナメられない上司は、仕事力よりも「ポジショニング力」が卓越している!

アルファポリスビジネス編集部

アルファポリスはエンターテインメントコンテンツのポータルサイト。小説、漫画、書籍情報などを無料で配信。最近はビジネス系の記事にも力を入れている。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT