コロナ大恐慌、日本を待つ4つの最悪シナリオ 日本の奇跡がリスクの先送りでなければいいが

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かつて、リーマンショックの時に、ドイツは国内の雇用を守るために、従業員の雇用を守った企業には手厚い補償を行った。それが、結果的にはリーマンショック収束後の経済回復で大きな追い風となり、ドイツ経済はEU諸国のなかでも頭一つ抜きんでた経済成長を遂げることにつながった。

アメリカも、当時のベン・バーナンキFRB議長が「ヘリコプターベン」と揶揄されながらも、莫大な資金を市中に供給して、リーマンショックを克服させることができた。心配されたインフレも起こらず、アメリカ、ドイツともにリーマンショックというリスクイベントを巧みに勝ち残ることができた。

では、日本はどうかというと、リーマンショックの影響が軽微だったこともあり、日本政府はわずか15兆円程度の補正予算でお茶を濁してしまった。リーマンショックというリスクをチャンスに変えられなかったわけだが、結局その後始まったアベノミクスで異次元の金融緩和を実施。経済成長率どころかインフレ率でさえ2%を超えられなかった。

ドイツやアメリカと日本のどこが異なるのか――。わかりやすい言い方をすれば、ヘリコプターからのばらまき方ではないだろうか。新型コロナウイルスへの対応を見てもわかるが、アメリカやドイツはまさに集中的に莫大な金額を瞬間的にばらまく。

その点、日本の場合はあらゆる分野に対して、小出しにちょこちょこばらまく。この背景には、利害関係のある国会議員が多すぎて、あらゆる部分に配慮しなければならないという事情がある。財務省や厚生労働省、経済産業省といった縦割り行政の弊害も大きい。

夏を迎えて仮に一時的に収束しても…

いずれにしても、今回のパンデミックへの対応は今後どうなるのかわからない、という点で世界的に共通している。いまだ、本格的な収束にこぎつけた国はなく、北半球ではこれから夏を迎え仮に一時的に収束しても、今年の秋以降、再び猛威を振るう可能性も指摘されている。

感染症の行方がわからない以上、政府の出口戦略もどれが正しいのかわからない。経済封鎖をせずに集団免疫の形成に突き進むスウェーデンが最も正解かもしれないし、欧米がとっているロックダウンが正解なのかもしれない。

そこで、いま日本にとって大切なことは、将来のリスクをきちんと予測して対応することだろう。リスクマネージメントとは、将来予測されるリスクを事前に想定してその準備をすることだ。現時点で考えられる日本の最悪のリスクシナリオとしては、次のようなものが考えられる。

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