仕事できる人ほど「コロナ疲れに悩む」根本原因 「いつまでも仕事ができてしまう在宅」の弊害

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リアルなオフィスでは「そこまではしなくていい」と制止してくれるマネジャーがいるのですが、テレワークには存在しません。「やらなくてはいけないこと」は限られますが、「やったほうがいいこと」は際限なくあるため負荷が増大するのです。

さらに、テレワークには仕事の負荷がどんどん増えていくことを制限してくれるものがありません。これまで「働き方改革」のため時短を行う方法として、社員を半ば強制的にオフィスから退去させてきた会社が多いのですが、テレワークでは同じやり方が通用しません。

そもそもオフィスから退去しても家に仕事を持ち帰ることが問題視されている最中であったわけですが、今回の急激なテレワーク化によって、「いつまでも仕事ができてしまう」状況になってしまいました。仕事がプライベートを侵食していると言ってもよいかもしれません。

テレワーク初期には「社員がサボるのでは」ということが問題視されましたが、本当の問題はどうやら「働きすぎるのでは」ということだったのではないでしょうか。

部下への「大丈夫か?」はNGワード

このようにテレワークだと仕事の負荷がどんどん増え、しかも業務量の平準化も行われないことで、「できる人」がつぶれてしまう可能性があります。それを避けるには、各メンバーの仕事負荷を可視化し、適宜、仕事を振り直す機会を持たなければいけません。

ただし、それを今まで以上に精緻にする必要もあります。「大丈夫か?」と声をかけるだけだと、「できる人」ほど「大丈夫です」と言うに決まっていますので、その言葉は禁句です。どんな状態で、どんな仕事を抱えているのかを具体的なレベルで把握し、大丈夫かどうかはマネジャーが判断しなければいけません。

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