3つめにそのテイクアウトを待つ場所がカウンター席の真後ろだったということです。これもこのお店だけの問題かもしれません。私が来店したときに私が先客と距離を保って立って待っていた場所のすぐ前で別のお客さんが食べていました。私ではなく彼の心の中を想像すると「俺の後ろに立つな」とゴルゴ13のように言いたくなったのではないかと思います。テイクアウト客が多いことがわかっているのですから、店内で食べる顧客がその動線にイラッとしないように店内で飲食する顧客をカウンターの別のサイドに案内するような気遣いがあったほうがいいと思います。
具体例を出してしまって申し訳ないのですが、顧客はこういったところを見ています。それでもお店にわざわざクレームを入れることはありません。普通の顧客はただお店から去っていく。だから飲食店は顧客視点に立つ必要があるのです。
冒頭の5月11日の新宿のランチタイムの状況について改めて振り返ると、ほぼほぼお店が閑散としている中でも、実はお店の状況はふたつに分かれていました。顧客が数名ぱらぱらと入っているお店と、誰も入っていないお店です。
店内の状況が外からわからないと入りづらい
入っているお店の特徴は、ドアが開けっぱなしになっていて、道を歩きながら店内の状況が丸見えになっています。逆に誰も入っていないお店ではドアが閉まっていて、スモークガラスになっているので中の様子がよく見えない。私が近づいてお店の中を覗き込んでみたところ、案の定お店の中には誰もいない。たぶん大半の顧客は近寄ったりせずに最初から入店をあきらめるのでしょう。
お店の構造はすでに作ってしまった時点でどうにもならないところはあります。なので、お店の中が外からよく見えないお店は工夫が必要です。いちばん簡単な工夫がお店のドアを開けっぱなしにすること。顧客は入り口に近づいて入るか入らないか決めることができます。
ではそれもできないお店はどうするか? いい工夫をしているお店がありました。入り口に「店内は疎を心がけています」と文字が貼ってありました。顧客目線のよい工夫だと思います。
テレビやネットなどでニュースをさんざん見ているせいで顧客はコロナについていろいろな知識を持っています。店内で密にならないように座るとか、対面で座らずに横並びで座るようにといった厚生労働省の広報もされています。
知識としては飛沫よりも指先という話をしましたが、いちばん危険なのは実はテーブルで、その次がドリンクバーのパネルだそうです。トイレのドアノブも危ないという話もありますが、ポイントはそういった知識を持っている顧客がたくさんいるということです。
私が店内で飲食したお店でいちばん「いいな」と思ったお店の話をします。
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