もうひとつ気づいてほしいのはなぜ顧客が離れ離れで座っているのかの意味です。実はチャレンジャーの顧客さんもお店がすいているかどうかを確認して入店しているのです。ですから3人目ぐらいまでならまだ許容するのですが、彼らは座りながらお店の入り口をにらんで“もうこれ以上入ってくるなよオーラ”を発しています。リスクを冒している勇気のある顧客であっても、お店の中は疎であってほしいと願っていることに気づかなければなりません。
今回の新型コロナウイルスについて顧客は自宅でテレワークないしは自粛しているうちにメディアやSNSを通じて、新型コロナウイルスについてのたくさんの知識を得ています。私の知人はコロナウイルスが基本的に指で触ったところを通じて感染するのが大半だという知識を得た結果、スーパーで購入した商品はひとつひとつ除菌してから冷蔵庫に入れるようになりました。マスク以外に衣服や首筋にも飛沫がついていると考える別のひとは、外出から帰ったらまずシャワーを浴びるそうです。
それが正しいかどうかはここでは関係ありません。そういったさまざまな認識によってさまざまな対策を実践しているひとたちがいることを前提に、以前と同様にお店に来てもらうためにはどうすればいいのかを、飲食店は考える必要があるのです。
ではどうしたらいいでしょうか。気づいた点を順番にお伝えしましょう。
最初のリハビリ段階はテイクアウトです。お店の中で食べてもらえる顧客は少数派だという事情からランチタイムにお店の前に従業員がひとり立ってお弁当を売っているお店が散見されます。大半の消費者はテイクアウトから復活するという点ではこのサービスは正しいです。
店員が手袋をはめていないお店への不安
ただ完璧に見えた、あるお店を例にとって気づいた改善点を3つ指摘しましょう。私が実際に見かけたお店です。
かなりいいところまでいっていたお店だったのですがミステリーショッパー的に気づいた点のひとつめは店頭の従業員が手袋をはめていなかったこと。手袋ははめたほうがいいです。後述する理由から気休めなのですが、手袋をはめているだけで顧客は安心します。それが重要なのです。
2つめにお弁当の価格が580円。これはいただけません。お得感を出したいのかもしれませんが、キリのよい600円のほうがいいです。理由は端数だとお釣りがたくさん出やすいから。580円に対して1000円札で会計すればお釣りは420円。100円玉が4枚と10円玉が2枚。硬貨を用意して600円を払っても10円玉2枚のお釣りが出てしまいます。
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