コロナ後「飲食店」復活に欠かせない4つの視点 マクドナルドと松屋の持ち帰り策は何が違うか

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実際のところはわかりませんが、人と人の手を介してやり取りされていく現金には、ウイルス感染のリスクを排除できません。その知識を持ってしまっている顧客にとってこうした端数によってお釣りがたくさん出るような価格設定はマイナスに見えます。手袋をはめた従業員から感染しないとしても前の人が渡した現金が自分に回ってくるのはリスクだと考えて、それを避ける人が実際にいるのです。

上記の理由から3つめにキャッシュレス決済の導入が求められます。これは意外と簡単でお弁当を置いた台の上にQRコードを用意すればいい。実は現金を嫌う人はQRが使えるお店を選んで利用しています。ほんのちょっとの手続きで簡単に導入できる時代なのですから飲食店としてその準備は重要だろうと思います。

(2)大手チェーンのテイクアウトで気づいたこと

すみませんが次にちょっと大手チェーンの実名を出させていただきます。

私が感じたマクドナルドと松屋の差

まず良い例から。マクドナルドはこのコロナの時期に対前年比で売り上げが伸びているということが話題になっていますが、確かにテイクアウトがスマートにできます。スマホのアプリを使ってクーポンを提示してキャッシュレスで支払い、番号札をもって他の顧客と密にならないようにお店の外で待っていると自分の番号が呼ばれます。それを受け取って持ち帰るだけ。基本的にリハビリ客にはOKです。

その次に松屋でテイクアウトをしようとして気づいた点が3つあります。お店が比較的がらがらの時間帯でした。

1つめは注文がタッチパネルによる自動販売機だということです。キャッシュレスで購入するのですが、そのためにタッチパネルを触らなければいけません。院内感染がおきた病院の事例でニュースになりましたが、このタッチパネルが実はコロナの感染源になりうるという知識を結構多くの顧客は知っています。とはいえタッチパネルのシステムを変えることはお店側にはできません。そうであるならば自動販売機の近くにアルコール除菌スプレーを置いてほしいと思いました。店内にあるからいいというのではなく、食券を買う前の顧客の目につくところにスプレーが置いてあることが大切です。

2つめにテイクアウトの食券を渡そうとしたらテイクアウトの窓口側に回るように指示されたことです。お店のカウンターの端にテイクアウトの受け渡し窓口があるのですが実はお店の中でそこだけが「密」になっていました。私の場合、すでに2人の先客がいて3人目になりました。これは私がたまたま入店したお店だけに限った話なのかもしれませんが、これは今のコロナ禍の状況をさまざま考えると、顧客にとってちょっとマイナスイメージを持つ経験です。

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