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「緊急事態宣言」の延長は本当に正しかったのか 新型コロナウイルス政策をめぐる3つの疑問

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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一方「ロックダウンが唯一の感染拡大防止策であり、かつ効果的だ」、という断定的な論調に疑問を投げかけたのは、2013年にノーベル化学賞を受賞したスタンフォード大学医学部で生物学教授であるマイケル・レビット氏だ(参照記事はこちら)。

彼は「感染症が専門ではない」と強く留保条件をつけたうえで、「純粋に統計的な数字を見ると、疫学の学者達が前提とするような、指数関数的な感染爆発は、世界中のどこでも起きておらずもっと緩やかだ」、と主張する。かつ、「どこの都市も、感染拡大のスピード、最終的な感染者数や死亡者数の規模が余りに良く似ており、各都市の都市封鎖の程度や方法は異なるにもかかわらず、同じような感染拡大カーブを描いているのは驚きだ」と指摘し、ロックダウンの効果に疑問を投げかけている。

彼の主張は、ロックダウンに効果がないことを示すものではない。だが、これまでのすべての議論は、ロックダウンの感染拡大防止効果は絶大であることを前提としてきた。

それゆえ、こうした前提は定量的にどこでも示されておらず、効果はあるが、どの程度か、それは地域、対象の人種、そのほかの環境によってどう変わるか、まったくわからないまま、「とにかくロックダウンするしかない」「命を守るためには何がなんでもするべきだ」、という議論に対する疑問としては、意味のあることだと思う。ちなみに、彼は、ロックダウンではなく、普通の行動制限、感染拡大防止行動(マスクや手洗い)をした上で、死亡リスクの高い人々を隔離して徹底的に守るべき、こちらの守りを固めるべきだと主張している。

この主張と整合的なMIT(マサチューセッツ工科大学)の経済学者達の分析もある(Daron Acemoglu et. al., A MULTI-RISK SIR MODEL WITH OPTIMALLY TARGETED LOCKDOWN)。

この出来立てほやほや(5月3日公表)の論文では、人々を年齢によって3つの世代に分けたシミュレーションを紹介している。結論として、国民全体に一律の行動制限、ロックダウンをかけるのでなく、世代ごとに分け、特に高齢者世代に絞って、徹底的なロックダウンをかけた方が、健康被害を減らすという意味では断然効果的であり、経済的被害も健康被害もともに最小化できる、ということが示されている。

このようにアメリカでもさまざまな議論が行われているのだが、読者の皆さんはどう思われるだろうか(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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