なにはともあれ、新型コロナウイルスを語らねばなるまい。
大方の予想通り、一部で緊急事態宣言は延長されたが、39県で解除となった。一時よりも1日あたりの感染者数の増加が減り、毎日の死者数も増えてはいない。他方、経済的な悪影響は目立って拡大しているので、「部分的経済再開」を目指すことは妥当だろう。
コロナはぐずぐずと続く
医学・経済両面で将来をリアルに予見するには不確実性があまりに大きいが、今後のわが国は、
(1)医療のキャパシティーの上限を超えない範囲で、
(2)感染・死亡の様子を見ながら生活や経済の活動制限を緩和し、
(3)感染がまた拡大したら活動制限を増やす
といった調子の「コロナと経済のバランスを取る」動きになるのだろう。
自粛の強要に正義感を高揚させる楽しみを覚えた「自粛マニア」にとっても、経済を動かさないことこそが悪であり、ひいては死者も増えるのだと脅す「経済至上主義者」にとっても、どちらにも不満足で中途半端な方針だろう。だが、これら3つの原理の下に、しばらく時間を過ごすことになると想定しておくのが現実だ。
願わくは(1)(2)(3)に関する明確な基準を政府には示して欲しいものだ。基準は理由があれば後から修正していい。基準も理由も示さないよりは、国民が先のことを考えやすいので、その方が国家レベルで無駄が減る。
なお、現状では、集団免疫が形成されているとは思えないし、治療薬もワクチンも決定的なものが実用化されているわけではないから、自粛や活動制限は感染拡大のスピードを落とすだけで、制限を緩めるとまた感染は拡大することが避けがたいように思われる。すなわち、コロナとの付き合いはぐずぐず続く。
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