「緊急事態宣言」の延長は本当に正しかったのか 新型コロナウイルス政策をめぐる3つの疑問

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つまり、ロックダウン(都市封鎖)、外出自粛はどこまで効果があるのか?これが3つめにして最大の疑問点だ。外出を自粛したほうがしないよりも、感染の拡大が少ないのは分かる。だがロックダウンを外せばまた感染が始まってしまうのだから、意味があるとするなら、あくまで、感染スピードが加速しているときにそのスピードを一時的に抑えるということが最重要である場合にやるべきということだ。

感染者をゼロ、ウイルスを根絶できない以上、外出制限はあくまでそのときだけ効果があり、制限を外せば、また感染の広がりは始まるわけだから、あくまで緊急避難的な措置だ、ということだ。

ロックダウン=「命も経済も守れる」という前提

ここで最大の疑問は、その効果の程度なのである。いったい、どこまで効果があるのだろうか?

すでにアメリカでは、アカデミックな議論が盛んである。もっとも有名なのは、3月末に発表された1918年のスペイン風邪の流行のときに、政府介入による行動規制を行った都市の方が、健康被害も経済被害も長期的には小さかったという論文だ(Sergio Correia et. al.Pandemics Depress the Economy, Public Health Interventions Do Not: Evidence from the 1918 Flu)。

したがって「命か経済か」というトレードオフではなく「命も経済も」、とにかく厳しい外出制限、ロックダウンを長期に継続したほうが守れるという主張に学問的なサポートを与えた。

経済学者達は、トレードオフに見えるが実はそうではない、というロジックの美しさに興奮しており、これに注目が集まっている。だが批判もあり、私も疑問を持っている。実例として1回の例に過ぎないこと、1918年と現在ではすべての環境が大きく異なること、データが年度ごとなので、経済回復の影響が行動規制によるものなのか、第1次世界大戦によるものなのか、さらにアメリカの西部と東部、中西部ではそもそも経済環境や状況、成長段階が異なったのではないかなど、さまざまな疑問がある。

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