「緊急事態宣言」の延長は本当に正しかったのか

新型コロナウイルス政策をめぐる3つの疑問

一方「今はステイホームがんばろう」「緊急事態宣言が外れた、よし、外出しまくろう」「ライブに行こう」「みんなでパーティやろう」。これでは「行動変容」は起きていないことになる。

この観点で見ると、緊急事態宣言、とりわけその延長というのは「行動変容」に関して、どのような意味があるのだろうか?

「マスクをするようになる」。これは日本ではもともと確立していた習慣だから、効果はない。欧米には大きな効果があっただろう。マスクをしなければ外出できないのであれば、嫌がらずにマスクをしよう。欧米の人々はこれまでほとんど手を洗わなかったから、手を洗う習慣ができる、トイレに石鹸が置いていなかったのが置いてあるようになった、それを使う習慣ができた、ということで欧米には絶大な効果があったはずだ。

「緊急事態宣言延長」は「行動変容」に対して効果なし?

一方、日本ではほとんどない。そんなことは分かっているし、多くの人がしていた。「満員電車を避ける」「テレワークが進む」。これらは大きな効果があっただろう(と期待したい)。ただ、延長してもしなくても関係なかったかもしれない。要は企業側次第だが、延長してもしなくても、しないところはしないだろうから、延長の意味はないだろう。

そして、パーティなどは、延長は逆効果ではないか。延長で不満が溜まる。規制が外れたらとことん遊んでやる、騒いでやるという気持ちが、ストレスの高まりとともに、限界値を越えて高まったのではないか。

夜の店に通うのはどうか。パチンコはどうか。一種の中毒だとすると、規制が外れればとたんに押し寄せるだろう。この意味でも、緊急事態宣言はその期間だけ押しとどめているだけだから「行動変容」にはつながらず、意味はないだろう。

もともと、「行動変容」は、タバコ中毒、アルコール中毒に対して、それを脱却するために不可逆的な行動の変化をもたらすために、ある程度の期間が必要で、その期間において前述の5つのステージを経てようやく実現する、というものだ。肥満対策として、運動習慣、食習慣を変えさせるというのが、今回のコロナ対策における「行動変容」としては近いだろう。
あらゆる意味で、少なくとも「行動変容」に対して、緊急事態宣言の延長というのは効果がない、あるいは逆効果なのではないか。

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