円安の輸入増分をうまく価格転嫁したJX
はじめに、JXの平成26年3月期第3四半期決算(2013年4~12月)を見ていきましょう。損益計算書(8ページ参照)から収益状況を調べますと、売上高は前年同期の8兆0545億円から今期は9兆0035億円まで増えています。これは、円安の影響で原油の仕入れ価格が上がり、その上昇分を石油製品の販売価格に転嫁したことが主な理由です。
そして販売費及び一般管理費(販管費)が微増し、営業利益は1350億円から2017億円まで増加しました。
私はこの決算書を見る前、JXのように輸入の多い業種は、円安の悪影響から業績が悪化しているのではないかと考えていました。ところが、JXを見るかぎりは、改善していたのです。確かに売上原価は増えていますが、売上高原価率(売上原価÷売上高)を計算しますと、前年同期は93.5%、今期は93.2%とほぼ横ばいですから、うまく価格転嫁が進んでいたことがわかります。


















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