「新牛丼」を披露、吉野家値上げの成算

肉は熟成させながら解凍、タマネギも増量

新しい牛丼を発表する安部修仁社長

「増税後も牛丼並盛を200円台でやるなら価格競争になってしまう。われわれはそんな所にそもそも立っていない」(吉野家の安部修仁社長)。

吉野家は4月以降に販売する、品質を改良した新しい牛丼の発表会を3月25日に行った。外食産業において、定番商品の品質改良は常日頃から行われているもの。にもかかわらず、あえて発表会を開いたのは、消費増税後を見据えた吉野家の付加価値戦略の一環だ。

増税分以上に値上げ

牛丼大手3社の牛丼並盛価格は、これまで280円(本体価格267円)と横一線。だが、4月以降の消費税率の引き上げに伴う大手3社の対応は、三者三様だった。

業界最大手のゼンショーホールディングス(HD)が展開する「すき家」は税込み270円(本体価格250円)に値下げ。松屋フーズが展開する「松屋」は増税分だけ上乗せし、税込み290円(本体価格269円)にする。

そんな中、吉野家が出した答えは増税分以上の値上げだった。税込み300円(本体価格278円)と本体価格で11円の値上げに踏み切る。その分、品質を改良し「単なる安さではなく、お値打ち感のある品質を実現していく」と安部社長は言う。

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右が2週間かけて解凍した肉

今回の新しい牛丼で、吉野家が1番こだわったのが肉の熟成。これまでの牛肉の加工工程において、仕入れた牛肉の解凍にかけてきた時間は1日程度だった。

新しい牛丼では、解凍にかける時間を2週間に延ばす。冷凍から冷蔵への移行段階に熟成工程を追加することで、肉のうま味が増すという。タレは白ワインの配合比率を引き上げるなどしてまろやかに仕上げ、タマネギも増量した。

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