心に響きまくる「鬼滅の刃」心理学から見る凄み ビジネス・プライベートに効く人生の教科書

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そんなときは、自分を鼓舞することが必要になります。

「頑張れ 炭治郎 頑張れ!! 俺は今までよくやってきた!! 俺はできる奴だ!!そして今日も!! これからも!! 折れていても!! 俺が挫けることは絶対に無い!!」(同作3巻第24話「元十二鬼月」より)

炭治郎が自分自身に向けて発したこの言葉が、きっと響くことでしょう。おのれを鼓舞して、心の炎を消さない。

実は、心理学的に解説すると、このように自分を鼓舞する方法を「自己宣言法」と言います。何かに書いたり、心の中で念じても効果はあるのですが、やはり、一番は言葉にして口から発すること。体の内側からだけでなく、自分の耳を通して外側からその言葉が入ることによって、内外両側から言い聞かせることができるからです。

宣言することによって、目標に向けた行動を考えるようになります。また、周囲に宣言することによって、責任が生まれます。言った手前、なんの努力もしないわけにはいかない。目標に少しでも近づかないと、恥ずかしい。そういう感情が生まれ、自分を強くする原動力となるのです。

折れない心をつくる教科書だ

『鬼滅の刃』では、炭治郎のほかにも、我妻善逸や嘴平伊之助、富岡義勇や胡蝶しのぶなど鬼殺隊メンバーが、自分を鼓舞するため、あるいは律するための言葉を、よく口にしたり、心の中で念じます。まさに、「自己宣言法」の効果を最大限活用しているのです。

頑張れ、やれる、できる、怯むな、落ち着け、集中しろ、諦めるな、喰らいつけ、負けるな──といった具合に。

鬼殺隊炎柱・煉獄杏寿郎の強い言葉も紹介しましょう。

「そんなことで俺の情熱は無くならない! 心の炎が消えることはない! 俺は決して挫けない」(同作7巻第55話「無限夢列車」より)

これは、柱になったことを父親に報告するも、喜んでもらえなかったとき、弟の千寿郎に向けて宣言した言葉です。どんなことがあっても、自分を鼓舞することで、心の炎を絶やさず、どんどん強くなっていく、という姿がうかがえるのです。

『鬼滅の刃』には、こういった、強い力を宿したセリフがたくさんあります。まさに、「折れない心をつくる教科書」と言える作品なのです。

『『鬼滅の刃』流 強い自分のつくり方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)。楽天BOOKSはこちら。セブンネットはこちら

ファンタジーだけどファンタジーではない。『鬼滅の刃』という作品には、ビジネスにも、プライベートにも、リアルに通じる教えが詰まっているのです。

私は、『鬼滅の刃』に込められたメッセージを心理学的に読み解き、みなさんへお伝えするガイドとなれればと思い、拙著に、『鬼滅の刃』に込められた、われわれが生きる指針とすべき教えの数々をまとめました。

この本を読んでいただければ、きっと「鬼滅の刃」のコミックスやアニメを一層楽しめると思います。そして、『鬼滅の刃』を読み返し、あなたの心を支える『鬼滅の刃』の名言を探してみてください。

井島 由佳 大東文化大学社会学部社会学科助教、心理・キャリアカウンセラー

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いじま ゆか / Yuka Ijima

1970年東京生まれ。東京家政大学大学院家政学研究科人間生活学専攻修了。博士(学術)。専門は教育心理学、キャリア心理学。CDA、産業カウンセラー。ライフキャリアとマンガに関する研究を行う。キャリアデザイン、チームビルディング、メンタルヘルスなどの専門家。自治体や企業等で研修講師を務める。学校教育において、キャリアデザインに関するテキスト作成と教員研修、キャリアカウンセラー養成講座を長年にわたり担当し、大学のキャリアセンター長として、学生の就職も支援。また、キャリアデザイン授業のプログラムも開発している。

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