企業・個人へのコロナ補償が曖昧すぎる大問題 緊急事態宣言で浮き彫りになる補償の曖昧さ

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厚生労働省も「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言や、要請や指示を受けて事業を休止し、労働者を休業させる場合であっても、一律に労働基準法に基づく休業手当の支払義務がなくなるものではありません」(厚生労働省HPより抜粋)と述べるにとどまり、今のところ明確なボーダーラインを示していません。

とくに、パート・アルバイトに関しては、休業手当なしでシフトの削減がどこまで許されるのかについて、曖昧な状態になりがちです。

そのため、休業手当が支払われるかどうかは、ケースバイケースで事業主の判断に委ねられる形になり、従業員側は休業手当が支払われるはずだと期待していたにもかかわらず、事業主側は休業手当の支払いを拒むという対立が、多数発生することが懸念されます。

このような対立が発生した場合、休業手当の支払を行う必要があるかどうかの法的な結論を出すためには、最終的には裁判所の判決を待たなければなりません。

明確な基準が必要

従業員は、目先の生活費が足りなくて困っているのに、数カ月後や数年後に判決が出て、休業手当が支払われたとしても、時すでに遅しです。そもそも、裁判をするにしても、弁護士費用を捻出することが困難な方も少なくないはずです。

とするならば、国が「こういうケースでは休業手当を支払わなければならない」というガイドラインを明確かつ具体的に示し、その支払基準に該当するならば、事業主に速やかに休業手当を支払わせるよう、促す必要があるのではないでしょうか。

そして、休業手当の支払の対象とならない人に対しては、国の責任において支援を行うこととし、例えば「育児休業給付金」や「介護休業給付金」と同じような考え方で、「コロナ休業給付金」を支払うという方法が一案として考えられそうです。

いずれにしても、休業手当がもらえるかもらえないか、曖昧な状況のまま放置され、時間だけが過ぎてしまう、という事態は避けなければならないということです。

第2の問題点は、雇用調整助成金を申請する難易度が高いということです。

雇用調整助成金とは、事業主が従業員に休業手当を支払った場合、その一部を国が補償するというものです。コロナ対応の特例措置により、中小企業であれば、事業主が負担した休業手当の80~90%を目安として、雇用調整助成金が支払われることになっています。

厚生労働省のホームページにおいても、事業主は雇用調整助成金が受給できることを踏まえ、従業員に休業手当を積極的に支払ってほしい旨がPRされています。

しかし、雇用調整助成金の支給申請には、申請書類の作成や複数の添付書類も用意しなければなりません。支給要件を満たせば、助成金は支給されるのですが、逆に言えば、1つでも要件に合致しないと不支給になってしまいます。

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